『今日20時、倉庫で』
ふいに届いたメールがわたしの心から落ち着きを奪う。まだ仕事中なのに、デスクの上に広げた資料の文字がもうひとつも頭に入ってこなくなる。震える指で返信を打つ。
『わかりました』
逃れられない罠。
あと1時間後、あられもない痴態を晒している自分の姿を想像すると、それだけでわたしの体は熱くなる。下着をつけていない胸の先が、薄いブラウスの生地に触れるだけで疼き始める。
. . . 本文を読む
高校に入って2回目の春が来た。
窓の外に見えるのは、満開の桜の木。樹齢何年だかしらないけれど、幹がどっしりと大きく太く、夜空に向かっていっぱいに伸ばした枝にはたくさんの薄桃色の花が今を盛りと咲き誇っている。
きれい。
昼間もきれいだけれど、今みたいに暗くなってからの夜桜も素敵。街灯の光に照らされて、暗闇に白く浮かび上がる桜の花。迫力がありすぎて、ちょっと怖いくらい。
ああ。いいな . . . 本文を読む
高校2年生の3月。
3年の先輩たちは卒業してしまったけれど、新1年生が入学してくるまでにはまだ少し時間がある。いつもにぎやかなはずの学校なのに、ちょっとだけ元気が足りないような、なんだか寂しい感じがしてしまう。
それを親友の美野里に話すと、アンタはお気に入りの先輩が卒業しちゃって寂しいだけでしょ、なんて笑われた。
「まどかは裕也先輩のこと、大好きだったもんね。それなのに最後までコクりもし . . . 本文を読む
その展示会の招待状は職場の先輩からもらったものだった。
細長い紙の右半分には黒を基調に発色の良い赤色や深い青色が飛び交うような抽象画が描かれ、もう半分には展示会の期間、場所を示す地図などが簡潔に書かれている。仕事が終わった後、会社の廊下で同じ部署の先輩からそれを渡された。
「さゆり、学生時代に美術部だったとか言ってたでしょ?このまえ机の中を整理していたらこんなのが出てきたからどうかなって思っ . . . 本文を読む
どこの誰のものともわからない指が背後から伸びてくる。シャツのボタンが外され白いレースの下着は引き下ろされる。露わになった乳房をゆっくりと揉まれ、その先端を捻られる。薄いスカートは捲りあげられ、太ももを這いあがってきた指がまだ新しい肌色のストッキングを引き裂いて足の間の柔らかな部分に触れる。はじめは遠慮がちに、徐々に大胆に。
見知らぬ手に、指に、弄ばれながらわたしは声一つあげることができない。そ . . . 本文を読む