「なんで泣いてんだよ……あんなによがってた癖に。ほら、こっち向け」
部長が荒々しい動作でマヤを抱き起こした。
床に尻をつけたまま、焦点の合わない目でぼんやりと顔を上げる。
膣から流れ落ちた生温かい液体が床を汚す。
男たちの残滓。
凌辱の痕跡。
放心したマヤの耳に唇をつけるようにして、部長が笑いを含んだ声を注ぎ込む。
「おまえさえ、あいつらの言うことを聞いてくれたら……俺はさっさとこんな会 . . . 本文を読む
翌日、木曜日。いくつかの学習相談を受け、母親たちの終わりの無い愚痴に耳を傾け、教室にやってくる生徒たちの相手をしているうちに時間が過ぎた。すでに授業は終わり、生徒も講師も教室には誰ひとり残っていない。マヤは今日の報告書に記入し、本部に送信した後に教室を施錠した。軽いめまいと貧血のような症状。ここ数日はずっとそんな状態から抜け出せずにいる。
マヤはポケットを探り、携帯電話を確認した。小さなラン . . . 本文を読む