こんにちは、司法書士・ペット相続士の金城です。
かつて、犬・猫の殺処分の方法として、一室に犬・猫を閉じ込め、二酸化炭素を充満させて窒息死させる方法がほとんどでした。
現在では、山口県の下関市のように、「吸入麻酔剤」による安楽死装置を導入している自治体もあります。しかし、二酸化炭素による殺処分は、今でも広く行われています。
犬・猫を二酸化炭素によって窒息死させる設備は、「ドリームボックス」とも称されています。
ドリームボックス(夢の箱)という名称とは裏腹に、ドリームボックスの実態がどのようなものなのか、精力的な取材によりペット産業の闇を暴き出した ある記者の著書から引用しておきます。(以下、引用)。
「飼い主に捨てられた犬にはどんな運命が待っているのか。別の日、関東地方のある自治体で、殺処分の様子を取材した。
午前9時30分、いつものように犬舎の壁が動き始め、この日は柴犬やビーグルなど9匹の犬が殺処分機に追い込まれた。
殺処分機の広さは約3立方メートル。うっすらと明かりがともっている。そのなかを、犬たちは所在なげにうろうろとし、何匹かは側面にある小窓から、外の様子をうかがう。
殺処分機の入り口が閉じられると、すぐに二酸化炭素ガスの注入が始まる。犬たちはまずガタガタと震え、息づかいが荒くなる。殺処分機の上部に取り付けられた二酸化炭素の濃度を示すメーターの数値が上がっていくと、苦しいのだろう、次第に頭が下がってくる。1分もすると、ほとんどの犬は立っていられなくなり、ゆっくりと折り重なるように倒れていく。
酸素を吸いたいのか、何匹かの犬が寝そべったまま大きく口を開く動作をする。助けを呼びたいのか、何とか顔を上げようとする犬もいた。そんな動きも注入開始から10分が経つころには無くなった。犬たちは目を見開いたまま、絶命していた。
恐らく、自分の身の上に何が起きたのか、理解できた犬はいなかっただろう。なぜ、自分がこんな目に遭うのか、わからないまま死んでいったのだろう。殺された犬たちのほとんどが、飼い主の事情によって捨てられたのだから。」(『犬を殺すのは誰か ペット流通の闇』 AERA記者 太田匡彦(おおた まさひこ)著 朝日文庫 86頁~88頁より)(引用終了)。
以上が、ドリームボックスの実態です。
予算の関係や、保健所職員の安全性を考慮すると、ドリームボックスによる殺処分を選択せざるを得ないという事情もあるようです。
しかし、下関市のように先進的な取り組みをしている自治体があるのも事実ですから、ドリームボックスという残酷な殺処分装置は、一刻も早く廃止すべきものでしょう。
次回のブログでは、引き続き『犬を殺すのは誰か ペット流通の闇』から引用することにより、悪質ペットショップの実態を紹介します。
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