こんにちは、司法書士・ペット相続士の金城です。
今年6月21日、大阪府の吉村知事が環境省を訪れ、虐待された動物を緊急保護するための法律制定を求めて、西村環境大臣に要望書を提出しました。
現行法のもとでは、動物取扱業者等が動物を虐待・遺棄している場合でも、業者等が所有権を放棄しない限り、動物保護団体などが強制的には動物を保護できません。
動物取扱業者等が所有権を放棄すれば問題ありませんが、所有権放棄を拒否した場合は、たとえ飼育環境が劣悪であっても、動物保護団体等が強制的に施設に入って保護することは困難です。
日本の法律では動物は「物」と規定されており、動物の所有者が所有権を有しています。
さらに、「所有権絶対の原則」があります。
所有権絶対の原則とは、所有権は国家の法にも優先する絶対不可侵の権利であるとする原則です。
この「所有権の壁」があるため、動物が虐待・遺棄されていることが明白であっても、動物保護団体等が強制的に動物を保護することはできないのが現状です。
ただ、動物所有者の承諾を得ずに強制的に保護した場合でも、動物の命を救うための「緊急避難」が成立するものとして、動物保護団体等が窃盗罪や住居侵入罪の責任が問われない可能性はあります。
しかし、動物保護関係者に、民事責任・刑事責任のリスクが付きまとうことになります。
そもそも、動物を遺棄・虐待している者が所有権を主張することは許されないことですが、その者が所有権放棄に応じなかった場合でも、動物保護団体等が強制的に動物を保護できるよう、法改正が不可欠です。
動物愛護法は5年に1度改正されますが、次回の改正において、虐待動物の緊急一時保護に関する法律の制定が急がれるところです。
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