こんにちは、司法書士・ペット相続士の金城です。
先日、保護猫を飼っている方から相談を受けました。
その方は70歳を過ぎている高齢女性で、子どもは3人とのことでした。
終活の一環として、次男さんに全財産を相続させる内容の公正証書遺言を作成しているとのことです。
ただ、飼っている保護猫のことが心配とのことです。
相談者には保護猫仲間がいて、保護猫仲間が定期的に自宅を訪問してくれているとのことでした。
そして、相談者の身に何かあったときは、猫を引き取って世話をしてもよい、と保護猫仲間が言ってくれているとのことです。
話を伺ったところ、相談者は、遺言で財産を遺せる相手は相続人に限定され、友人や知人等の第三者に遺産を遺すことはできない、と誤解していました。
その誤解から、全財産を次男に相続させる旨の遺言を作成したようです。
しかし、遺産を遺す相手は相続人に限定されるものではなく、友人等の第三者に対して遺産を遺すこともできます。
相談者の例でいえば、保護猫仲間や動物保護団体に遺産を遺すこともできます。
この点を相談者に対して説明してあげたところ、「新しい遺言を作ります」と言って とても喜んでおられました。
ただし、相続人には【遺留分】という法律上の最低限の取り分が保障されています。
そのため、例えば「全財産を動物保護団体に遺贈する」という内容の遺言を遺すと、遺言者が亡くなったのち動物保護団体が【遺留分侵害額請求】という請求を受け、相続人との紛争に巻き込まれる可能性があります。
そのため、動物保護団体等に遺言で遺贈する場合は、、動物保護団体等に迷惑が掛からないよう、相続人の遺留分を侵害しない範囲内で遺産を遺贈する配慮が必要になります。