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産土神社と鎮守神社

前回、産土神社への参拝に関する記事をご紹介したが、説明が少し不足していたので、読まれた方に多少ご迷惑をおかけしたかもしれない。そこで今回は、産土神と鎮守神について少し詳しくご紹介する。


日本の神々は職務分掌が決まっているとされている。宇宙創造を担当される神、国家天下を左右するような出来事を担当する神、我々の日常を見守る神まで、それこそ八百万の神々が、さまざまな役割を担当されている。また日本の地域ごとに分担が決まっており、その地域を加護されるのが鎮守神である。

我々の生活に特に密接に関係してくるのが産土神社と鎮守神社である。
産土神社とは自分が生まれた時に両親が生活していた地域の鎮守神社のことである。誕生から死に至る迄の一生を通じて、人生の節目、節目を導かれ、ご加護くださる神である。俗な言葉で言い換えるなら、貴方個人の専任担当神、ホームドクター的な存在と言える。

母親が居住地を離れて、実家(実家の近くの病院)などで出産したような場合は、前述のように、親が生活していた地域の鎮守神社が産土神社となる。出生地の神社ではないのでお間違えのないように。

鎮守神社とはその名が示すように、地域を鎮め守る神が鎮座される神社である。その地域の鎮守の神々をまとめるのが総鎮守神社で、その地域の祖神ともいうべき神が祀られていることが多い。鎮守神社はその地で誕生する人々の産土神社でもある。

貴方が生地を離れ遠方に引っ越した場合は、神々のネットワークを通じて、産土神から転居先の鎮守神に連絡と申し送りがなされているはずである。産土神は貴方のメイン担当、鎮守神は貴方のサブ担当と考えれば良いだろう。

転出の際には産土神社あるいは鎮守神社に詣でて、これまでのご加護に感謝を述べ、転居の報告を行う。転居後は転居先にある鎮守神社に詣で、転入の報告とご挨拶を行うのが、普段からご加護を頂いている神々への礼儀といえるだろう。

貴方の仕事や家庭などのプライベートな祈願は、貴方の住む地域の鎮守神社にお願いすればよいのである。鎮守神だけで取り計らえない内容の場合は、鎮守神が産土神と相談されて決められるようである。

貴方が国家元首や社会的影響力を持つような立場の人物なら別であるが、プライベートな事柄に関する祈願は、格式が高そうとか、お社が立派であるからからといって、遠くの大きな神社で祈願することより、近くの産土神社か鎮守神社で行うのが心願成就への最良の方法である。産土神と鎮守神は貴方の専任担当であるのだから、親身になって願いを聞き届けて下さるだろう。

格式の高い神社の主祭神は霊格が高すぎて(波動が高すぎて)、普通の人々の祈りでは届かない。鎮守神(産土神)も、本来ならば祈りが届かないほどの霊格をお持ちなのだが、一人一人を導き、加護するのがお役目なので、眷属さんを通じて祈りが届くのである。

もし貴方が社会人で職場の近くに鎮守神社があるならば、仕事に関することはその神社に祈願しても良い。同様に貴方が学生であるならば、学業のことは学校の近くの鎮守神社に祈願しても良い。その地域にある会社や学校に関する事は鎮守神の担当だからである。
              

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