私は世界でも、5本の指に入るくらいの運動音痴です。
運動会の徒競走はいつもビリ。
そんな私がただ一度だけ一等賞になったことがありました。
それは、小学校二年の時。
運動会のその日に扁桃腺の切除手術をすることになった私は、本番の前の総練習だけ参加しました。
総練習の徒競走。新しく買ってもらった靴が足にぴったり合っていたのをよく覚えています。
気分的なものもあったのか、足がとても軽く、いつもはビリの私がなんと一番でゴールに入ったのです。
7歳の時の記憶など他にはほとんどありませんが、とてもうれしかったのでしょう、はっきりと覚えています。
親は学校の勉強が遅れるから、運動会の日を手術日に選んだのかも知れませんね。
その扁桃腺の摘出手術の事も覚えています。
最初お尻に注射されてその後局部麻酔だけで手術を受けました。当時はそんなものだったのかも知れませんね。
大きな口を開けない私に、先生と看護婦さんが二人がかりで
「口開かないと、これをはめますよ」と口を開けておく器具を突っ込まれ、こわくてこわくて。
頑張って口を開けました。
ペンチのようなものでぱちっ、ぱちっと、私の立派過ぎる扁桃腺は、自分の肉体から切り離されました。
今でこそ、風邪なんて引いたこともない私は、小さい頃は体が弱く熱ばかり出していました。
それと、当時は扁桃腺を切るのが流行っていて、私の年頃では扁桃腺をとった人が結構多いです。
今は全身麻酔でやるようですが、あれは本当に地獄絵図でした。
7歳の私に鬼の形相を向けた医者はもうご存命ではないでしょうが、未だに恨んでいます。
病院で数時間仮眠を取った後、家に帰りました。
切った後は何も食べられず、夜中に喉が渇いて牛乳を飲んだら、鼻から出たのも覚えております。
たらり~~~ん、はなからぎゅうにゅう~~~。
体育の日にふさわしい内容だったかどうか非常に疑問です。
体育の日。
いまだに身体がお育ちあそばしておられるお父様方、どうぞご自愛ください。
素敵な一日をお過ごしください。
感謝をこめて
つる姫