誰の物でもない都会の夕暮れに
暑さで溶けてしまいそうな 白くて脆い月が揺れている
月の雫が 広く碧い水面に落ちて
桃色の絵の具に色を変えた瞬間に
南の風が
ゆっくりと その絵具の波紋を広げて行く
太陽が 見えない海に沈む時
潮風と入り混じった 黄色い湯気が立ち上る
桃色の絵具と 黄色い湯気が
天空の穴から 異次元に吸い込まれていく
どこから来たのか 見知らぬ鳥が
太陽の後を追うように
桃黄の空を 横切って行く
都会に仕掛けられた罠に 翼を絡ませることなく
黒いシルエットは ぷつりと
異次元の穴に姿を消して行った
塗り固められた地球の上に立ち
蒸しあつい風に吹かれて 空に手を伸ばしてみる
一陣の風が その手を掴んで
どこかに続く穴に 引きずり込もうとする
勘違いされては困る
私は ここに留まろうとしているのだ
その手に捕まるほど まだ身軽ではない
首筋に汗を纏わりつかせながら
不愉快のない天空を見据えると
決断という笑みが 陽炎のようにゆらゆらと舞い上がって
空に一番星を浮かべる
涙の星屑の見えない 都合のよい都会の空の下で
天空の歓喜を求めることなく
明日も生きる
あの一番星は 生きる灯(あかし)
誰の物でもない夕暮れは
この私だけのもの
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ご訪問ありがとうございます。
昨日の夕暮れの雲を見ていたら
先日のあの空には、やはり何かがいた、と
確信しました。
妄想がエスカレートしておりますが
エスカレーターにはなるべく乗らずに
ボケ防止のため、階段を使うようにしております。
炎天下では、ボケ帽子をどうぞ。
脳みそが溶けそうな日々ですが頑張りましょう!
明日から8月ですね
素敵な7月最後の一日になりますように
感謝をこめて つる姫