虚しさなんだろうか。

私の青春時代、フォークソング全盛の時代に、全く違った傾向の歌手が二人いたと思っています。
それは浅川マキさんと藤圭子さんです。

浅川マキさんはアンダーグランドで活躍なさっていて世の中の底辺を知り尽くして逞しく生きていたように思えます。そこから生まれる歌にアイロニィーを感じさせながらも女の強さも伝わって来ました。

一方、藤圭子さんは同じように子供の時から世の中の底辺を見ながら大人になったようです。
歌声にもその辺の迫力をいつも感じていました。
ところがマキさんと違いはディビュー当時から儚げな感じがしていました。芸能界に馴れれば少しは変わるのかと思っていましたが引退するまで変わりませんでした。
それがアメリカに行き、あの宇多田ヒカルという天才歌手を産み育てたの見て性格が変わったのか本来の性格であったのかと不思議な気がしていました。何故かと言いますとあのシャイな性格であれば子育てどころか妻としてもやっていけないと思っていましたから。

実は私の同級生に藤圭子さんの従兄弟がおりまして父親が藤さんお父さんと兄妹とか（母かもしれませんが）聞いていて、有名になってからも何回か来ていたと聞きました。
その同級生の父親は指圧師をしていて盲目の方でした。ですが大変に明るい方で私達が遊びに行きますといつも冗談を言っては人を笑わせていました。ですから、藤さんの本当の性格は明るくて役作りの都合で暗い性格を演じている言う噂話を信じていました。
ですが芸能界を引退後、そして今回の死亡した近況をみますと、やはり、生きるのが下手で苦労していたのが本当の姿なのかも知れません。

ご冥福をお祈りします。