ビデオ・あっ!とランダム・SharakuのLIVE映像&情報

撮影・Shigemi TakamatsuのLIVE映像の紹介 from 10/Apr'06

盛況だった長嶺ヤス子公演

2007-11-07 | 撮影
(C)Sharaku

<演出家 横田安正氏 談>
11月5日夜護国寺境内で行われた公演「熱い祈りに命をかけて 僧侶と托鉢行脚の旅」は2000人を超える観客を集め盛況でした。午後7時、鉦がなり法螺貝が鳴り響くと80人の真言宗豊山(ぶざん)派青年僧侶が静々と本堂の廊下から入場、荘厳な声明が境内に流れ、曼荼羅世界が開陳される。5分後、長嶺が登場すると場内は拍手に包まれました。

関係者の予想では入場者はせいぜい5-600人と見られていたのですが、すでに3時をすぎたころから熱心な観客が集まり始め、5時を過ぎると境内の観客席はほぼ満員となりました。6時には十重二十重の観客に会場は埋まっていました。6時半を過ぎると更に人の流れが増しましたが、そのころは場内は立錐の余地もなく、前に立つ人々の肩越しに辛うじて舞台のひと隅を垣間見るといった状況です。公演まえに「帰り際、全員が正面の階段をお使いになると事故の恐れがありますので、なるべく車坂をお使いください」という場内アナウンスが流れるほどでした。

これを受けて長嶺の演技にも熱がこもりました。右膝の痛みも何のその、激しく石畳を踏みしだき、情念の限りを表現します。最初は仏の教えを馬鹿にしていた主人公が次第に自己確認を果たしていく過程を見事に演じきりました。50分の公演がおわると、数名の僧侶と長嶺が鉢をもって托鉢を始めます。観客が駆け寄り浄財がみるみる集められました。

こうして長い1日が終わりましたが、それにしても強く感じたのは長嶺ヤス子という徒手空拳の芸術家を支えようとする人々の心意気です。多くの支援者がいろいろな局面で無償の働きを厭いません。長峰ヤス子自身の人間性によるところも大なのでしょうが、芸術の偉大さを知らされました。「人間はパンのみに生きる動物でないこと」をつくづく感じさせる1日でした。
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