連載小説「私の名前は舞」第11最終章 ー 石川勝敏・著
第11最終章 エレベーターで一階のポストに郵便物を確認するため降りていたおじさんが戻ってきた。「おおい、舞よ。今度の市展の書の部門にわしが出した書、≪風に鳴る木
連載小説「私の名前は舞」第10章 - 石川勝敏・著
第10章 おじさんの年頃の割には、昔で云う「昔の人」に当て嵌まらない面がおじさんにはあります。たとえば読書の折りちゃぶ台みたいなローデスクにあぐらはおじさんの嗜好に
連載小説「私の名前は舞」第9章 ー 石川勝敏・著
第9章 一週間後。朝起きておじさんの床へ向かうと、掛け布団の中央がなにやら上に向かって膨らんでいます。どうやら空間をおじさんは作っているようです。その周辺の特に右側が
連載小説「私の名前は舞」第8章 ー 石川勝敏・著
第8章 私は部屋でおじさんの膝の上、体が圧され押し潰される思いでした。おじさんが腕を硬直させ私の体に両手を置くものですから。私がおじさんの涙を見たのはこれで2回目
連載小説「私の名前は舞」第7章 ー 石川勝敏・著
第7章 あちら行ったりこちらに来たりとおじさんはせわしなくリビングなる居室を歩き回っています。おじさんの頭は石川さんへの憂慮で一杯なのですが、何をどうしたら良いのか途方に暮れ
連載小説「私の名前は舞」第6章 ー 石川勝敏・著
第6章 ライン交換した相手の女性の名前は石川洋子さんといいます。泊まっている海辺のホテルというのは、正式には海辺の憩い・陽光、というらしいです。二人はラインのみなら
連載小説「私の名前は舞」第5章 ー 石川勝敏・著
第5章 3階までエレベーターで乗り降りして自分の世帯までおじさんがやって来ると、さっきの男が、「やあ、おやじ」と明るい調子で言ってきました。「金の無心なら帰れ。登(のぼる)
連載小説「私の名前は舞」第4章 ー 石川勝敏・著
第4章 疲弊しきったような私の意識に声が聞こえる。「奥さん、だ、大丈夫ですか?」「ああ、びっくりしました。わたくしは大丈夫ですが、今のは野良猫でしょうか?」ここからは私
連載小説「私の名前は舞」第3章 ー 石川勝敏・著
第3章 私は窓から降り注ぐ陽光の中、朝食のささみをぺちゃくちゃ食べたあと、すぐに脚立の台座に飛び乗りました。そしておじさんがする正座のようにネコらしく肘を立て背筋を伸ばししゃんと
連載小説「私の名前は舞」第2章 ー 石川勝敏・著
第2章 私がどうすればいいのかその場でまごついていると、雲間から太陽光がさっと私の瞳に差し入ってきた、と同時に「まい」とささやくような声がしました。私は天啓かと思いました。
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