今からちょうど10年前、会社の業績は悪くはなかったのにメインバンクが傾いた為に一時1700円を超えていた会社の株価の下落が止まらず、あれよあれよと言う間に80円まで暴落した事があった。若い社員達はそんなに気にしていなかったけど管理職以上の社員は口々に「倒産するんじゃないか」と噂が広まった。倒産してしまえば給料はおろか退職金も出なくなるけど、自分は会社がなくなって明日から来なくてもいい状況を向かえてもかまわない覚悟で入社したから辞める事は考えもしなかった。自分の性格を考えたら何となく一度辞めたらクセになりそうだったというのもあったし。でも生活していくにはお金がかかるので会社に内緒で副業する事に決めた。普通にアルバイトしたら税金とかで会社にバレる恐れがあったので水商売。知人のつてで池袋の飲み屋で店子をするハメになった。客はさんざん飲んで二件三件目で立ち寄るから相手するのが大変。しかもマスターはテーブルの端に座ったまま動かないし、バイトの僕1人がカウンター内で客をさばかなきゃならなかったし、初日で辞めたくなった。でも紹介してくれた人の面子潰す訳にはいかなかったので
3ヶ月で辞める予定が1年半続いた。営業の基本は「客の顔と名前と酒の好みを覚える事」「あくまでも主役はお客さん」の2点だった。ドラマのお水の花道では明菜演じる財前直美が「ここは舞台、私たちは女優よ」と名セリフをしゃべっているけど高級クラブと場末のバーじゃね…ちなみに、そういうバイトする場合は本名でやらない事。水商売だけに流されやすくなるらしい。
3ヶ月で辞める予定が1年半続いた。営業の基本は「客の顔と名前と酒の好みを覚える事」「あくまでも主役はお客さん」の2点だった。ドラマのお水の花道では明菜演じる財前直美が「ここは舞台、私たちは女優よ」と名セリフをしゃべっているけど高級クラブと場末のバーじゃね…ちなみに、そういうバイトする場合は本名でやらない事。水商売だけに流されやすくなるらしい。