ジムの住人

うちのジムは大手のフィットネスクラブと違って狭いので10人もいればストレッチの場所を確保するのも困難だ。最近は月曜と水曜が混んでいる傾向である。ほとんどが常連さんなので交互に使ったり補助をかって出たり譲り合ったりと工夫しながらトレーニングに励んでいる。あまり他人の事は気にならないが、インターバルの時に見回してみるといろんな人がいる。必ずトレーナーに補助してもらわないと出来ない人・トレーニングよりメールばかりしている人・おしゃべりばかりしている人・全然体型に変化が見られない人。前までは「今メールしなきゃならないんどろうか？」と軽くイラっとしていたが他人は他人なので気にならなくなった。一人でひたすらストイックに追い込んでいる人には興味があるが、なかなか話かけられないけど更衣室とかで挨拶から始まって仲良くなれるのは嬉しい。そんな中でＯタキさんという人がいる。この人は体型も顔もかっこいい。仲良くなっていろいろ話を聞いてみると意外なことにこれ以上はデカクなりたくないらしい。ハーフのスクワットで200ｋｇとかやっているが、もっと重いバーベルは出来るが脚が太くなりたくないからとの理由。ジムでは自分より虚弱体型はいないので、話を聞くだけでも勉強になるがもったいないと思った。特に大会などに出る目標は無いがボディメイキングには気を配っているみたいだ。現役時代は100ｍで10秒後半の記録を持ってたみたいだが、退いてからも体型を維持しているのは精神的にも強いのだろう。そんなある日曜日にヤノ先生が「Ｏタキさんかっこいい髪形ですね、どこで切ってるんですか？」と短髪でキメてきたＯタキさんに声をかけた。そしたら「美容院で切りました、6,000円です」と答えた。かっこいいけど高いなと思ってたらＯタキさんは2ヶ月に1回しか切らないみたいで「理容は揃えて切るから自分の場合は短くてもランダムに切ってもらえる美容院の方が2ヶ月髪型がもつんですよ」と言ってた。数日後に更衣室で会話する機会があったので「かっこいいけど6,000円って高いですね？」と聞いてみたら「イマイさんはどのくらいの頻度で髪切りますか？」と聞かれたので「三分坊主（6ｍｍ）で3週間おきに2,000円の理容で切ってます」と言ったら「じゃあ2ヶ月で3回切ってるから全く一緒ですよ」と言われた。一瞬「えっ？」と思ったが計算してみると同じ二ヶ月でもＯタキさんは6,000が1回で僕は2,000円が3回…つまり一括か分割の違いだけでかかっている料金は同じ。Ｏタキさんは大笑いしていたが、自分は苦笑するしかなかった。