占星術への道-誕生史、星見の作法

・占星術の基礎-星見の作法とは?
・今も多くの人を魅了する占星術
・いつ、どこで、どのように生まれたのか?

<1> 天と地の麗しき調和-はじめに

2021-03-07 20:56:13 | 占星術への道-西洋占星術の誕生史

福島 憲人


年始め、夜空が暗ければ、凶の年。新月の時、空が晴れていれば、吉の年。

-バビロニアの予言書 (およそ紀元前1900年) から

あるできごとが同時に起ったからと言って、必ず因果関係にある、と考えるべきではない。同時に起こっても、一方が必ずしも他方の原因である必要はない、のだから。

-ドノバン・ジョンソン、ウィリアム・グレン著「統計の世界」 (1961) から


はじめに

 西洋占星術は、西洋ではなく、日本で最も普及しているのではないかと思うほどだ。たくさんの書籍が発行されているのはもちろん、ネット上にも天気予報欄と並んでいたりする。まじめに信じている人は少ないと思うが、今日はどこへ行こうかなどと逡巡している時にヒントを与えてくれるというような効用があるらしい。街角の手相見と同様の機能を果たしているのだから、立派な占いに違いない。

 では、今でも、かくも多くの人を魅了する占星術とはいかなるものか? 

 いつ、どこで、どのように生まれ出でたのか?

 天体の運行や現象を見て占う占星術は広く世界にあるようだが、中でも最も整備され、普及しているのはヨーロッパの占星術である。では、その起源は奈辺にありやと疑問に思い、少し調べてみようとしたのがこのブログの背景だ。

 だから、占いの内容には余り関心がない。と言うより全く関心がなく、どういう流れで天が人間生活に影響すると考えるようになったのかという占いへ至った道を知りたいと思っている。という次第で、西洋占星術が成立する前後の歴史を追ってみたい。年代で言えば紀元前4000年から紀元後200年あたりまでである。J. V. スチュアート著 Astrology – What's Really in the Stars – (1996, Prometheus Books) を底本としつつ、知識の整理を試みることにしよう。

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