「焼肉酒家えびす」の集団食中毒はユッケなどが原因とみられている。肉の生食の危険性は以前から指摘されていたが、消費者の支持は根強いのが実情。自治体の調査でも「食中毒のリスクがあっても食べ続ける」との回答が目立つ。
えびすとは別の富山市の焼き肉店は、今回の問題発覚後もユッケを提供。市からは危険性について指摘を受けたが、経営者の男性は「顧客の需要は高く、今後もできれば出したい」。
富山県の担当者は、県内の店舗にはこれまでも生食を控えるよう助言してきたが「末端の消費者にまで直接伝えるのは難しい」。
東京都は平成21年、生食の意識調査し、過去3カ月間に生肉を食べた約400人中、29人が体調不良を訴えた経験を持ちながら「その後も生食を続けた」と回答。食中毒になる可能性を示した上で「今後も生食を続けるか」との問いには、千人中669人が「食べる」「場合によっては食べる」と答えた。