今年6月の首相辞任時に「首相を辞めた人が影響力を行使しすぎてはいけない。次の総選挙には出馬いたしません」とテレビカメラの前で明言し、次期衆院選に出馬せず政界を引退する考えを示していた。
その後、地元後援会の会合で、11年春の統一地方選のころを目安に結論を出すと、先送り発言。そして今回の“続投宣言”である。
鳩山は続投の理由について「民主党の状況が思わしくない。自分なりの役割を投げ出していいのかという、いろいろな声をもらっている。自分の判断を前向きに変えないといけないかなと思う」と、党を思っての行動だとしている。
いやはや、KYにもほどがある。
「9月の代表選直前に、トロイカを主張して、菅と小沢の仲介役にしゃしゃり出たものの、結局まとめることはできなかった。その後、中国漁船衝突事件が起きると、“私だったら事件直後に、この問題をどうすべきか中国の温家宝首相と腹を割って話し合えた”と発言し、ひんしゅくを買った。最近は首相特使や前首相の肩書で中国、ロシアやベトナムなど海外を飛び回っていますが、この人の復権を期待している人はほとんどいませんよ」(政界関係者)
鳩山の引退撤回に対しては、早くも野党から「いやしくも首相だった人が自らの進退について発言したことを翻すのは国民の信頼を損なう」(公明党の山口那津男代表)と批判が出てきた。野党にとっては民主党政権を攻撃する新たな材料となったわけだ。
いつまでも権力に未練たっぷりでは、自民党の老害政治家と変わらなくなってしまう。