個のブラジルVS組織力のなでしこジャパン。圧倒的にボール支配したのはブラジルだが、試合に勝ったのはなでしこだった。
「(ブラジルは)強かったですねぇ~。選手たちがよくしのいでくれました。辛抱してカウンターをうまく活用してくれた。まさに闘志の守備ですよ」。佐々木監督は興奮気味にまくし立てた。
序盤からブラジルの猛攻に苦しんだ。だが、組織的な守備、体を張った献身的な守りで得点を許さなかった。「なでしこらしい、いいサッカーはできなかった」と指揮官は振り返る。それでも前半27分に大儀見のゴールで先制すると、後半28分には大野のゴールで追加点。ともにカウンターからの得点。ベンチの佐々木監督も思わず“ドヤ顔”になった。
「数少ないチャンスをものにしてくれた。こういう形が勝ちを呼ぶんでしょうね」
準決勝のフランスとの対戦。五輪本番直前の対戦では0―2で完敗している相手だが、恐れることはない。「ここまで来たら何もない。闘志を持ってやらせたい」。指揮官の視線は初の五輪メダルを捉えている。