ときどき
9/3付記事でちょっと触れましたが、開催中の第64回ヴェネチア国際映画祭にて、『ブレードランナー ファイナルカット』プレミアが行なわれたそうです。
eiga.com
eiga.com の記事は後日消えてしまうので、以下にコピペ。
[eiga.com 映画ニュース] 現在開催中の第64回ベネチア国際映画祭で9月1日深夜、「ブレードランナー ファイナル・カット」が、メイン会場のサラグランデでワールドプレミア上映され、監督のリドリー・スコット、ルトガー・ハウアー、エドワード・ジェームズ・オルモス、ダリル・ハンナら、現在「インディ・ジョーンズ4」撮影中のハリソン・フォードを除くメインキャストが、同劇場のレッドカーペットに集結した。
同作は、82年の劇場公開オリジナル版、92年のディレクターズ・カット版に続く3つ目のバージョン。同日、正式上映の前にホテル・デバンで行われたeiga.com独占インタビューに対し、スコット監督は製作の理由について「82年の劇場公開版で、私が狙ったのはフィリップ・マーロウが出てくるようなフィルムノワールだった。だが、公開前のリサーチ試写での評価が芳しくなくて、スタジオの言いなりにならなければならなかった。それで、(デッカードとレイチェルが逃避行する)ハッピーエンディングに変えさせられ、当時ヒーローを演じていたハリソン・フォードのヒロイズムを大きくフィーチャーせざるをえなかったんだ」と説明。「これが本当の“ディレクターズ・カット”だ」と自信のほどを語った。
「ファイナル・カット」は、10月に全米で劇場公開される“4K”という最新デジタルシネマ方式でデジタル上映された。ストーリー的には、ユニコーンが登場する92年のディレクターズ・カット版とほとんど差がない(オープニングタイトルも別バージョンは使われなかった)が、スコット監督が「もはやデザイン(シド・ミード)、VFX(ダグラス・トランブル)、音楽(バンゲリス)はアートの領域で、映画は壮大なオペラ、巨大な建築物のようになった」と自負するように、圧倒的に美しいビジュアルとクリアなサウンドで甦っており、エンドクレジットが流れると、超満員の観客(同日午前中にソールドアウト)から万雷の拍手と歓声が送られた。
なお、「ブレードランナー」製作25周年を記念して、「ファイナル・カット」(07)を含む「アルティメット・コレクターズ・エディション」(1万4800円)と、1万セット限定生産「アルティメット・コレクターズ・エディション・プレミアム」(2万4800円)が12月14日にリリ?スされる。だが、その前に日本でも劇場公開を望みたい。
画像は Getty Images より。
レッドカーペット
フォトコール
出演者の中で、そもそもハリソン・フォードはこの作品を嫌っているそうだし、ショーン・ヤングはご本人が犯罪者みたいになってしまって、結局ルトガー・ハウアー&ダリル・ハンナという「レプリカント・コンビ」の出席となった訳ですが、実際それが「正しい人選」だと思いますよ。
さて、9/3にも書いたように、私自身は劇場公開版で満足しているということもあって、『ブレードランナー』がこうして次々と新しいバージョンを繰り出して来ることには、映画作家としての「こだわり」以上に「商売」の匂いを感じてしまい、諸手を上げて歓迎という気分にはなれません。
まして上記の如く、バカ高いDVDセット売り出しが絡んでいるとなると、マニアの足下を見ているような胡散臭さを感じずにはいられないのです。
もっとも、「スタジオの言いなりに」作った劇場版が、それでも当時はヒットせず、ビデオやLDになってから徐々に評価が高まって、SF映画史上に残る(「SF」の枠を取り払っても)傑作と認識されるに到った過程を思えば、そちらを重視したくなる気持ちもわからないではありません。
それにしても、多くの人が最初に目にしたのは劇場公開版(のソフト)だった筈だと言いたくはなりますが。
でも、劇場版のエンドクレジットに使われた森林の空撮映像が、実はこの作品のものではなく、なんとスタンリー・キューブリック監督『シャイニング』のために撮影されたフィルムの使い回しだったと知った時には笑い、呆れました。
しかもそのことは、リドリー・スコット監督自身は与り知らぬ話だったそうで、さすがにそれは怒っても無理ないと思いますよ。
一方で、『2001年』『ブレードランナー』というSF映画史上の二大名作の監督が、そんな形で邂逅していたことには、何とも不思議な縁を感じてしまいます。
追記:『ファイナル・カット』DVD、日本アマゾンでも予約受付け開始したので、リンクしておきます。
『ブレードランナー ファイナル・カット』製作25周年記念エディション
『ブレードランナー』製作25周年記念アルティメット・コレクターズ・エディション(5枚組)
9/3付記事でちょっと触れましたが、開催中の第64回ヴェネチア国際映画祭にて、『ブレードランナー ファイナルカット』プレミアが行なわれたそうです。
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eiga.com の記事は後日消えてしまうので、以下にコピペ。
[eiga.com 映画ニュース] 現在開催中の第64回ベネチア国際映画祭で9月1日深夜、「ブレードランナー ファイナル・カット」が、メイン会場のサラグランデでワールドプレミア上映され、監督のリドリー・スコット、ルトガー・ハウアー、エドワード・ジェームズ・オルモス、ダリル・ハンナら、現在「インディ・ジョーンズ4」撮影中のハリソン・フォードを除くメインキャストが、同劇場のレッドカーペットに集結した。
同作は、82年の劇場公開オリジナル版、92年のディレクターズ・カット版に続く3つ目のバージョン。同日、正式上映の前にホテル・デバンで行われたeiga.com独占インタビューに対し、スコット監督は製作の理由について「82年の劇場公開版で、私が狙ったのはフィリップ・マーロウが出てくるようなフィルムノワールだった。だが、公開前のリサーチ試写での評価が芳しくなくて、スタジオの言いなりにならなければならなかった。それで、(デッカードとレイチェルが逃避行する)ハッピーエンディングに変えさせられ、当時ヒーローを演じていたハリソン・フォードのヒロイズムを大きくフィーチャーせざるをえなかったんだ」と説明。「これが本当の“ディレクターズ・カット”だ」と自信のほどを語った。
「ファイナル・カット」は、10月に全米で劇場公開される“4K”という最新デジタルシネマ方式でデジタル上映された。ストーリー的には、ユニコーンが登場する92年のディレクターズ・カット版とほとんど差がない(オープニングタイトルも別バージョンは使われなかった)が、スコット監督が「もはやデザイン(シド・ミード)、VFX(ダグラス・トランブル)、音楽(バンゲリス)はアートの領域で、映画は壮大なオペラ、巨大な建築物のようになった」と自負するように、圧倒的に美しいビジュアルとクリアなサウンドで甦っており、エンドクレジットが流れると、超満員の観客(同日午前中にソールドアウト)から万雷の拍手と歓声が送られた。
なお、「ブレードランナー」製作25周年を記念して、「ファイナル・カット」(07)を含む「アルティメット・コレクターズ・エディション」(1万4800円)と、1万セット限定生産「アルティメット・コレクターズ・エディション・プレミアム」(2万4800円)が12月14日にリリ?スされる。だが、その前に日本でも劇場公開を望みたい。
画像は Getty Images より。
レッドカーペット
フォトコール
出演者の中で、そもそもハリソン・フォードはこの作品を嫌っているそうだし、ショーン・ヤングはご本人が犯罪者みたいになってしまって、結局ルトガー・ハウアー&ダリル・ハンナという「レプリカント・コンビ」の出席となった訳ですが、実際それが「正しい人選」だと思いますよ。
さて、9/3にも書いたように、私自身は劇場公開版で満足しているということもあって、『ブレードランナー』がこうして次々と新しいバージョンを繰り出して来ることには、映画作家としての「こだわり」以上に「商売」の匂いを感じてしまい、諸手を上げて歓迎という気分にはなれません。
まして上記の如く、バカ高いDVDセット売り出しが絡んでいるとなると、マニアの足下を見ているような胡散臭さを感じずにはいられないのです。
もっとも、「スタジオの言いなりに」作った劇場版が、それでも当時はヒットせず、ビデオやLDになってから徐々に評価が高まって、SF映画史上に残る(「SF」の枠を取り払っても)傑作と認識されるに到った過程を思えば、そちらを重視したくなる気持ちもわからないではありません。
それにしても、多くの人が最初に目にしたのは劇場公開版(のソフト)だった筈だと言いたくはなりますが。
でも、劇場版のエンドクレジットに使われた森林の空撮映像が、実はこの作品のものではなく、なんとスタンリー・キューブリック監督『シャイニング』のために撮影されたフィルムの使い回しだったと知った時には笑い、呆れました。
しかもそのことは、リドリー・スコット監督自身は与り知らぬ話だったそうで、さすがにそれは怒っても無理ないと思いますよ。
一方で、『2001年』『ブレードランナー』というSF映画史上の二大名作の監督が、そんな形で邂逅していたことには、何とも不思議な縁を感じてしまいます。
追記:『ファイナル・カット』DVD、日本アマゾンでも予約受付け開始したので、リンクしておきます。
『ブレードランナー ファイナル・カット』製作25周年記念エディション
『ブレードランナー』製作25周年記念アルティメット・コレクターズ・エディション(5枚組)