『X-MEN:ファースト・ジェネレーション』のブルーレイ・ディスクにのみ収録されている映像特典について。ネタバレ大につき、ご注意下さい。
実は、我が家のブルーレイ視聴環境が予想以上にダメだったこと、また当分改善の見込みがないことが判明したため、
Panasonic のポータブルプレーヤーを購入しました。TV接続タイプのものを買っても、我が家の古いブラウン管TVではねえ……と思ってのことですが、さすが専用機の画質は素晴らしいですね。高かったけれど、思い切って購入して良かったと思います。
我ながら、X-MENのためにどれだけつぎ込む気か、とも思いますが。
というわけで、特典も無事観られました。
■セレブロ:ミュータント・トラッカー
セレブロの中から、前三部作、また『ウルヴァリン:X-MEN ZERO』に登場した主なミュータントたちのデータを動画と共に紹介してくれます。ガンビット(レミー)がいたのがちょっと嬉しかったです。
しかし、ビーストやミスティークやサイクロップスはともかく、『ZERO』のヴィクターと『X-メン』に登場したセイバートゥースを同じキャラクターとして扱うのは、かなり無理があるんじゃないでしょうか?
■未公開シーン集
大体の内容は知っていましたが、結局「未公開」または「削除」対象になるシーンというのは、そうなるだけの理由があるんだ、と思わざるを得ませんでした。
以前にも書いたことですが、話題のエリック女装シーンなどは、初めから本編に入れるつもりのないお遊び映像として撮ったんじゃないか、という気がします。だって、本編であれを見せられたりしたら、その後どんなシリアスなストーリーが展開してもそのシーンがちらつき、破壊力が半端じゃなかったと思うんですよ。
他にもギャグ味の濃いシーンは採用されなかった感じで、訓練シークエンスについては、それらを取捨選択してテンポよく再構成した編集の素晴らしさを、改めて認識しました。
シリアスな方では「アルゼンチンの空港」シーン。あそこはエリックのサマースーツ姿がすごくカッコよく美しく、カットされたのは残念ですが、残しておいては「パラボラアンテナ」のシーンの感動が半減してしまうので、無くて正解でした。
それらはともかく、プロフェッサーに関しては、彼の所業あれこれがそのまんまはいっていたら、正直言って人格を疑われるレベルだったと思います。
アレックスへの言葉などは、若さと余裕なさの表れとも言えるけど(でもひどい)、CIA研究所でのあの一連の流れの後 "Everything." ってのは微妙過ぎでしょう。
モイラさんとのラブシーンに到っては、エリックやレイブンとあの会話をした後にそれか!? と言いたくなるくらいとんでもないです。それ以前に彼女との心の通い合いが十分描かれているならまだしもねえ……海外でも、「この人が本当にパトリック・スチュアートさん演じるあの教授になるの?なれるの!?」とか言われてました。
総じて、本編にないものはやはり「なかったもの」と考えた方がよさそうです。「ヒロイン」らしき描写をことごとくカットされてしまったモイラさん(ローズ・バーンさん)にはお気の毒でしたが……
■メイキング:原子の子供たち
これは面白かったです。
マシュー・ヴォーン監督が監督に抜擢された経緯に加え、彼が『ファイナル ディシジョン』を降板した事情も改めて知ることが出来ました。
作品の随所に、いかに007シリーズ──と言うより、ショーン・コネリーのボンドシリーズへのオマージュが盛り込まれていたかもよく判ります。
しかし、「ボンドシリーズ風に」と求められて当初作った「マグニートーのテーマ」のメロディラインが、「これじゃ単なるジョン・バリー(ボンドシリーズの)パクリだ」と却下され、低音の基調部だけで構成することになった──という、音楽担当ヘンリー・ジャックマンさんの談話も面白かったです。そうしてあの印象的なテーマが生まれたのですから、監督の耳は確かだったということになりますね。
製作・脚本のブライアン・シンガーの最初の構想では、チャールズもエリックも20代で、しかもエリックの方が年下のはずだった、という話にも驚きました。
エンドクレジットでチャールズの年齢が「24歳」になっているのは、その名残りでしょうか。これについては、マカヴォイ自身がはっきり「それは間違いで、教授は30歳」と言っています。
また、ファスベンダーがオーディションを受けに来た時には、その役には老け過ぎではないか?と難色を示されたそうです。『A Dangerous Method』の撮影直後で、口ヒゲもあったため、45歳くらいに見えたとか。
結局、マカヴォイとのバランスや相性を考慮して(以前からの知り合いでもあったし)、彼が選ばれた、という話をどこかで読んだ覚えもあります。
そのマカヴォイさんのお茶目なポーズあれこれも楽しそうそうでしたが、メイクのこと、衣装のこと等、裏話はどれも面白かったです。
あのブラックバード(ジェット)撮影時は、カメラじゃなくて本当に本体をグルングルン回していたんですね!
また、これまで書く機会を失していましたが、劇場でヴィジュアル・エフェクト担当がジョン・ダイクストラと知った時には「おお!」と思ったものでした。このメイキングでもお姿が見られて、「御大ご健在でしたか」と嬉しくなりました。
というわけで、本日のトップ画像は、そのメイキングからの静止画。本編の削除シーンなどではなくて、オフショットと思われます。