アメイジング・グレース~ベスト・オブ・ナナ・ムスクーリナナ・ムスクーリユニバーサル インターナショナルこのアイテムの詳細を見る |
のち
ヨソ様の訃報ばかりお伝えしていましたが、二日前のこの日は、夫の誕生日でした。
誕生日や結婚記念日などの節目に、夫は Tops のチョコケーキや紅茶ケーキを買って帰るのが常だったので、今年は私が買いに行きました。
仏壇のある夫の実家に紅茶ケーキとバースデイカードを届け、自宅にはチョコケーキとミニブーケを持ち帰って、写真の前にお供えしました。
同じ日にアマゾンから届いたのが上のCD。ずいぶん前に注文したものですが、同梱のものとの兼ね合いで発送が遅くなったのです。
夫はナナ・ムスクーリが好きだったので、その日に着いて寧ろ良かったかも知れません。本人が前から探していて、いちばん聴きたがっていた「アテネの白いバラ」が収録されていないのが残念ですが。
夫はクラシック、特にオペラのファンで、結婚前には渋谷「P」デパート内の「K」レコード店に通っては、LPをセットで揃えたりしていました。ワーグナーの『指環』に到っては4セットくらいある筈です。
偶然、私自身にとっても「K」は行きつけの店で、若い頃は布張りの箱も麗々しいそれらのセットを垂涎の思いで眺めていたものでした。
そんな訳で、以前は「財産目当てで結婚したんだ」などと、互いに笑い話にしていましたが、今やそれらは文字通り「遺産」となってしまいました。
先日、久しぶりに「P」へ行ってみたところ、「K」も既になくなっていました。
懐かしいもの、愛したものは、こんな風に少しずつ消えて行ってしまうんですね。
そして、今日買ったのが下のマンガです。先月末に出ていたようですが、その頃は時間的にも精神的にもそんな余裕はありませんでした。
星野之宣や諸星大二郎の作品も、昔から興味あったものの、結婚前には手を出しかねていましたが、夫が好きであったことから、世界を拡げることが出来ました。
今でも憶えていますが、最初に見せてもらったLDは『2001夜物語』のアニメ版でした。宗像教授シリーズも楽しいけれど、『2001夜』こそは星野氏の最高傑作だと、今も思っています。
宗像教授異考録 7 (7) (ビッグコミックススペシャル)星野 之宣小学館このアイテムの詳細を見る |
夫とは、もっといろいろな映画や音楽や本やマンガの話をしたかった。この本やCDの感想も聞きたかった。他の誰よりも、彼と話すのがいちばん楽しかったから。
自分のように「夫が親友」であった者は、そういう意味でも途方に暮れています。