The Hobbit: An Illustrated Edition of the Fantasy ClassicBallantine Books (P)このアイテムの詳細を見る |
ときどき
先日も書いたように、自分としては現在第何次かのトールキンブームが到来しておりまして、『The History of Middle - Earth』(HoME)や『ホビットの冒険』関連本などを、また少しずつ集めて行きたいと思っています。
で、本日アマゾンから届いたのが上の本。『ホビット』のイラストレーション版です。描いたのは David Wenzel(デイヴィッド・ウェンゼル)氏。約135ページのオールカラー本です。
断っておかなくてはなりませんが、表紙を描いているのは別の人で、ウェンゼル氏の絵柄とは全く違います。
氏自身の絵は、ご本人のウェブサイトでご覧になれます。
David T. Wenzel
上記トップページからはいって、Portfolios→The Hobbit と進んで下さい。
『ホビット』やその他の絵をご覧になればお判りのように、このかたはコミック作家やグラフィック・ノベリストではなく、子供のための本や絵本を中心に描いているイラストレーターさんです。
だから『ホビット』もアメコミっぽい絵ではなく、その色彩の美しさや、くっきりしているけれど優しい描線は、やはり「絵物語」と呼ぶのが相応しいと思います。
今回紹介したバージョン(Del Rey 版)が出たのは2001年ですが、最初にバランタイン・ブックスから出版されたのは1990年。つまり、デザイン上で映画『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズの影響は全くないことにご留意下さい。
それでも、ホビット庄や袋小路屋敷の描写は、多くの人が思い描くあの雰囲気そのものです。
ビルボがおじさんっぽいとか、バルドがおじさんだとか(まあそれは仕方ないか)、エルフ王までおじさん(て言うかお爺さん?)だとかいうことはさておき、ガンダルフの帽子は原作通り青いし、13人ドワーフが描き分けられていることに感激。バーリンはトーリンと並んで最年長みたいですね。彼らとフィーリやキーリとの年齢差もちゃんと絵で判ります。
鷲たちや狼や蜘蛛たち、そしてカラスや「あの」ツグミまで、動物たちも生き生きと描かれているし、ゴラムはもちろんビヨルンやトロルたちもイメージ通りだし、スマウグはやっぱりカッコいいです。
あと、裂け谷と(「最後の憩」館の外観は、けっこう庶民的ですが)闇の森のエルフの「文化」の違いも、絵で表現されているのが素晴らしいですね。
日本で出版されている本でウェンゼルさんの絵が見られるのは、下記「たいせつなきみ」シリーズより『きみへのとくべつなおくりもの』という絵本があるようです。他にも何か見た記憶もあるのですが……
きみへのとくべつなおくりもの (たいせつなきみ)マックス ルケードいのちのことば社このアイテムの詳細を見る |
そして、実はこの illustrated edition 版『ホビットの冒険』には日本版もあるのです。
しかし!その訳者は「例のあの人」なのでした ……
せっかく綺麗な絵物語を「ナンタルチア」なガンダルフや「ボクチン」ゴクリで見る(読む)ことは、想像するだに堪え難く、だったらストーリーは知っているわけだし、英語で読んだ方がずっといい、と思い、原書を入手した次第です。
絵物語 ホビット―ゆきてかえりし物語J.R.R. トールキン,デイヴィド ウェンゼル原書房このアイテムの詳細を見る |