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デイジーデイジー・122 インタビュー

2006-05-08 14:49:36 | デイヴィッド・ウェナム

「デイジーデイジー・120」でリンクした CHUD.com のデイヴィッド・ウェナムのインタビュー記事。
さすがに逐語訳はちょっとまずいので、要約してみます。

まず、5/5より米で限定公開中の "The Proposition" 関連の話題。
彼の役イーデン・フレッチャーについて「都会人ぶったすごい嫌な奴じゃないですか?」と訊かれて、「そうとも言えるよね」と笑ってます。
「彼は実質、町の経済的な支配者だし、その立場において、あの荒々しい環境の下の比較的新しいコミュニティでは、白黒はっきりさせたいと考える類いの人間なんだろう。1880年代、オーストラリア中央部の砂漠地帯という環境で、住民は皆イングランドやアイルランドや様々な国からたまたまそこにやって来た人たちばかりだ。彼らは本質的に異邦人として、その土地その状況と闘って行かなくてはならない。無法なこともあったろうし、そこで生き抜くためには理非曲直はっきりしたシステムを導入すべきだと、彼は考えていた。その視点に立てば、彼のことも理解できる。
それでも、現代の人間の目や良心やモラルからは、彼がとんでもなく冷酷な男に見えるのも当然だけどね」

自分がちょっと面白いと思ったのが、開拓初期のアウトローたちへの彼の見方です。
「彼らを扱った映画は数多くあるし、最も有名なのが、ちょっと前ヒース・レジャーも演じたネッド・ケリー」
だと答えつつ、インタビュアーの
「アメリカでは『古き良き西部開拓時代』とその時代のアウトローたちは、既に伝説の域にありますが、オーストラリアではどうですか?子供たちは(アメリカ人が西部劇ごっこをするように)その時代のごっこ遊びとかするんでしょうか?」
という質問には
「そうでもない。アウトローと呼ばれる連中は大勢いても、名前が残っているのはごく僅かだし。特に有名なのが、さっきも言ったネッド・ケリーだけど、こういった類いの人間が崇拝の対象になるのは変な話だね。彼は卑劣で暴力的な一介の犯罪者だったのに、どういう訳だか伝説的存在に成長したんだ」
と答えていて、案外突き放した目で見ているんだな、と思いました。

「撮影はどうでしたか?すべてにおいてリアリティを感じましたが」
との問いには、何しろ日中の気温は連日摂氏40度に上り、それだけ暑いと演技にも影響が出て来ると答えています。
そして、以前他のインタビューでも語っていた蠅の話!
「オーストラリア生まれだけど、これまで生きて来た中であんなに大量の蠅を見たことはなかったよ。とにかく何千匹という蠅が終止飛び回ってるんだ。全然逃げもしないしね。唯一効果的だったのは、本当は馬に用いる蠅よけクリームを塗ることくらいだった。それでとにかく、たかられることはなくなる。ただ周りを飛び交うだけで。あの土地のすごい-----蠅だらけで暑くて汗まみれになるような気候は、理屈抜きのリアルな感覚を映画にもたらしたかもね。そんなコンディションで長時間撮影したことは、作品に雰囲気を添えたと思うよ」
という訳で、大変な撮影だったみたいです。確かにガイ・ピアースなんて本当に臭って来そうでしたもんねえ…

そして、彼の出た映画を何本か観た人なら誰しも思うこと。
「『ヴァン・ヘルシング』や『ロード・オブ・ザ・リング』に出ている人と、この映画のあなたが同じ人だと気づく人はいないでしょう。一人の俳優として、非常にかけ離れた役柄を演じることを重要だとお考えですか?」
「それはたまたまそうなっただけだと思うよ。俳優として、自分は様々な理由で興味を持ったキャラクターやストーリイに引きつけられるし、いろいろな役柄を演じたいと思っている。一度したことは繰り返したくないんだ。俳優としての自分自身を試して行きたいし、自らを消すように役柄になりきりたい。そんな訳で、自分のキャリアを振り返って見れば、かなり幅広い役柄を演じて来たという結果になったんだ」

いやウェナムさん…それって「たまたまそうなった」とは言わないんじゃないですか…?

更にインタビュアーは、なかなか鋭く突っ込んだ質問をしています。
「でもそれって、新しい役を得ようとする場合、却って不利なんじゃないですか?つまり特定のイメージがないということで」
「正直言って、観る人を困惑させているとは思う。いつも限られた役柄を演じていたり、監督やキャスティング担当から見てはっきり判る特徴のある役者だったら、もっと楽だったんじゃないかってね。両刃の剣だよ。僕は幅広い役柄を演じられる役者でいたいけど、反面やりたい役を得ることを困難にしているとも思う」

どんな役でも演じられるカメレオン俳優にも、それなりの苦労があるということでしょうか?同時にそれでも自らの仕事に対するプライドも感じます。

長いので続きは次回に。

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