百日紅 (上)筑摩書房このアイテムの詳細を見る |
昨日知ったニュース。詳しいのはここでしょうか。
好きだったんですよ。漫画家杉浦日向子が。
初期作品は青林堂(『ガロ』の出版元だった)で出たものを持っているくらい。
だから漫画家を引退した時にはショックだったけど、「お江戸でござる」は伊東四朗さんが出ている頃は毎週見ていて、伊東さんが降板してからは、ほぼ杉浦さんのコーナーだけ見ていました。
いわゆる「江戸ブーム」や「東京論」ブームが、出版界を中心に、サブカルチャーも含めた文化的事象として、何年かにいっぺん盛んになることがありますが、東京で生まれ育った人間として「江戸」がマイブームだった時期と、社会的ブームのサイクルが合致していた頃、この人の書くものを読みあさったものでした。
悲痛な『合葬』も、のほほんとした後期の『とんでもねえ奴』なども好きですが、代表作として挙げるならやはりこれでしょうか。
壮年期の北斎と娘お栄(応為)、北斎の弟子だった若き日の渓斎英泉を中心とした連作短編集です。北斎の画業や生活、江戸の風俗、若者たちの心のゆらぎ、艶っぽい話まで……などと説明しても、うまく伝わりませんね。読んで下さい、と言うしかないです。
「漫画家」であった期間は短くとも、多くの素晴らしい作品を残して下さったことに感謝して、ご冥福をお祈りいたします。
そうですね、まだそれほどのお歳ではなかったのに、と思うとショックです。
ここで紹介した本を、改めて読み返したりしているのですが、やっぱりいいなあと思います。