昨夜フジテレビで放送された【ハモネプ】で、『レ・ミゼラブル』帝劇新演出版出演者その他の皆さんにより「民衆の歌」と「ワン・デイ・モア」を聴きました。こんな言い方は失礼ですが、皆さん真剣に取り組んでいらっしゃって思いのほか楽しめました。映画のシーンも観られて、ちょっとお得な気分。
それにしても、テレビで特に解説の必要もなく「あの『レ・ミゼラブル』の」で話が通じてしまうのだから、いい時代になったものです。
というわけで、何回も貼っていますが、『レ・ミゼラブル』オリジナル・ブロードウェイ・キャストによる1987年トニー賞授賞式のパフォーマンス動画をまたまたご紹介。このたびはかなりの高画質です。
ジャン・バルジャン:コルム・ウィルキンソン
ジャベール:テレンス・マン
コゼット:ジュディ・クーン
マリウス:デイヴィッド・ブライアント
エポニーヌ:フランシス・ラッフェル
テナルディエ:レオ・バーメスター
マダム・テナルディエ:ジェニファー・バット
アンジョルラス:マイケル・マグワイア
グランテール:アンソニー・クリヴェロ
コルムさんとラッフェルさんはオリジナル・ロンドン版に続いての出演。
コルムさん、クーンさん、そしてマグワイア&クリヴェロ両氏は10周年記念コンサート(TAC)出演者でもあります。
曲は「一日の終わり」そして「ワン・デイ・モア」と続きます。
以前にも書いたように、ところどころマイクの調子が悪いのがちょっと気になりますが、画質がいいだけに演技はかなり細かいところまでよく見えます。
これも前に書きましたが、"Every man will be a king" を嘲笑するテナルディエはいいですね。ジャベールの登場の仕方や歌のはいり方は、なぜか他の誰よりもこのテレンスさんが一番好きです。また、マリウスが来るまでアンジョの向かって左斜め後ろにいる眼鏡の人はコンブフェールのようです。コンブさんというと何となく眼鏡キャラのイメージがあるので、これはちょっと嬉しいですね。最初に駆け寄って来るのはクールフェラックでしょうか?
そして、そのアンジョルラス。映画を観ても、他のどのCDやDVD等に接しても、自分にとっての「アンジョルラス」のイメージはやはりマグワイアさんなのだと、近頃しみじみ思います。アンジョルラス=長身で脚が長い人、という抜き難い固定観念があるのは、もしかしなくてもこの人のせいです。
炎の剣ならぬマスケット銃を掲げて疾風の如く現れ、皆を率いて行く大天使。誰にも目もくれずにズンズンと行進の先頭を歩くアンジョルラスと、そこに近づこうとして近寄れないグランテールの図には、何だか胸が苦しくなります。
でも可愛いおねえちゃんもいるし、まあいいか……となるあたりが、またグランなんですが。酒壜もずっと持ってます。
いずれ語る機会があるかと思いますが、舞台版「グランテール」のキャラクターを確立したのは、このブロードウェイ初演のクリヴェロさんだと自分は考えています。それにしても、三角行進でこれだけ目立つ位置と演技のグランも珍しいかも知れませんね。アフロはやっぱり許せませんが(笑)もしかして原作の「度はずれな醜男」設定を、このすごいヘアスタイルで表現しているのかもかも知れないとも思うようになりました。
グランだけでなく、舞台版「アンジョルラスとグランテール」の関係性のスタンダードが作られたのも、このBW初演時のマグワイア&クリヴェロによるものだと思っていますが、その話はまたいずれ。
映画公開も終盤を迎えつつある今、こんな風にTAC等も少しずつ紹介していけたら、と思っております。