 | 宙-伊福部昭 SF交響ファンタジー日本フィルハーモニー交響楽団, 伊福部昭, 広上淳一キングレコードこのアイテムの詳細を見る |
各ニュースサイトで扱われていますが、代表してこちらを。
日本クラシック界の大御所…というより、映画音楽の巨匠として、特に東宝怪獣特撮映画でお馴染みという人が多いと思います。
面白いと思うのは、東京音楽大学の学長まで務めた伊福部氏が、いわゆる正規の音楽教育を受けた人ではなかったということと、『ゴジラ』や『大魔神』等の音楽におけるあの力強い土俗性は、生まれ育った北海道にそのルーツがあったことです。
音楽的な技法としては、フーガまたはカノンに近いものを感じます。
同じリズムで、繰り返し同じ旋律を畳み掛けるようなあの音楽は「一度耳についたら離れない」効果を生み、脳内BGM化してしまうのですが、その最も顕著な例が、（「ゴジラのテーマ」ではなく）いわゆる「怪獣大戦争マーチ」でしょう。
格闘家の佐竹雅昭が自分のテーマとして使用していたことでも知られ、最近では黒澤明監督の撮影風景が出て来る日立グループのCMにも使われている、あの音楽です。
ゴジラシリーズの監督として有名な本多猪四郎（「いしろう」と読む）が黒澤の親友であり、後期黒澤映画では助監督として現場をまとめていたことを考えると、あのCMにその音楽というのも、まんざら意味のないことでもないのでしょう。
アフィリエイトは映画サントラではなくてこれを。伊福部氏ご自身にとっては本意でない部分もあるとのことですが、その音楽の特長や魅力を一望…ではなくて一聴できるという点で、やはりこちらがお奨めです。
謹んでご冥福をお祈り申し上げます。
