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さてさて皆様、昨夜は【日曜洋画劇場】で『X-メン』をご覧頂けましたでしょうか?
以下、前ブログに書いたレビュー(一部改変)です。今読み返すと、映画そのものと言うより、DVDのレビューという感じですね。
『言わずと知れた、ヒュー・ジャックマンのハリウッドデビュー作。
このアルティメット版をおすすめするのは、とにかく特典が充実しているから。
もちろんヒューファン的にも(笑)。
ファンじゃなくても、本編のウルヴァリンのイメージしかない人(特に男性)が特典ディスクの方を見て驚いたという話もよく聞く。何しろニコニコしながら、当時まだ赤ちゃんだったオスカーくんを抱っこしてミルクを飲ませたりしてるんだから。
それと「命を吹き込む作業」の中の「台詞合わせ」チャプターでは、ヒューのアップをずーっと見ていられるのだ!
本当になんて綺麗な顔の男だろうと思うけど、監督に役の心理の説明など聞いた後で(ローグとの初めての会話のシーンだった)、素の顔から一瞬でウルヴァリンの表情になる所など、さすがだなあと感じる。
スクリーンテストの件りは「特別編」にはいっているのと同じ、やはりローグとのシーン。この時、見た目はカーリー(『オクラホマ!』の)で演技はローガンなのが面白い。
アクションに目を奪われがちな役だけど、微妙な台詞回しとか表情の変化とか絶妙に上手いな、この人は。見た後でいつまでも印象に残るのは、爪シャキーン!じゃなくて、やっぱりそのローグとのシーン(出会いも、後の方の電車の中の会話も)だった。
『ソードフィッシュ』でも思ったけど、「父性」を感じさせるのが上手い人でもあるし。もっともこれは、本来持っているものの自然な表出かも知れないけど。
そこに力を入れているらしいことからも伺えるように、監督はローグに感情移入しているのかも知れない。
だって、このシリーズのテーマは(隠れたテーマなんてものじゃなくて)、はっきり「偏見と差別」だしね。
初めて原作が描かれた頃は公民権運動真っ盛りの時期だったけど、現代だって手を替え品を替え、人は差別の種を見つけるに事欠かない訳で、それは、同特典の中でサー・イアン・マッケランが「私もミュータントだ」と語る言葉に端的に表れている。勿論そういう感覚は、シンガー監督その人のものでもあるだろう。
ゲイだとか、社会的に差別されているということを措いても、「自分はほかの人間と違う」「自分は生まれてはいけない人間だったかも知れない」「どこにも居場所などない」という感覚や感情、そのひりひりするような痛みは、実際この社会に順応しながら生きる多くの人間たちにとっても、一度は覚えのあるものなのだろう。
他人に視線を向けただけで破壊してしまう、触れただけで相手の生命を害ってしまう、怒りに駆られて鋭い爪が剥き出しになる──それらは皆、そういった違和感の表象であり、そしてその「能力」を持つ者自身をも傷つけずにはおかないものだ。
それがわかるから、この映画はミュータントでも何でもない人たちの共感を呼んだのだと思う。そこを読み取れない人、また、クライマックスシーンに選ばれたのが移民受け入れの玄関口であったエリス島であったことの意味を理解しない人とは、私は共にこの映画を語りたいとは思わない。(この言い方マグニートーっぽい?)
一つ余談を。
特典の中で、そのエリス島プレミアに向かう船上で監督が『タイタニック』ごっこをするところが出て来るが、これもジョークやネタとばかりは言えない行動なのだ。
タイタニック号の二等三等船室にいたのは、殆どがその島を経て新天地に到ろうとしていた移民たち(特にアイルランド系が多かったことはあの映画でも触れられていた通り)だったのだから。』
なんだかエラそーな文章に冷や汗が出ます
さてそれで、昨日久しぶりに本編を見直して、案外お遊びのシーンや台詞もあったことに気がつきました。コアなファンの方はとっくにご存知のことなのでしょうが、「黄色いタイツでもはくか?」とか、トード役レイ・パークが一瞬「ダース・モール」になったりとか。
それにスコットが「若造」扱いのせいもあって、真のリーダーは、この頃からストームなんじゃないの?と思ったり……ごめんなさい!でも、あのスコットは若造な雰囲気がいいというのが、個人的な意見です。中原さんの声がまた、「ワカゾー」感を醸し出していたし。
他の声優さんにも触れておくと、磯辺さんは良かったですね。でもパトリック・スチュアート=麦人さんは、ピカード艦長ならいいけれど、教授の声としては、やはり大木民夫さんの方が適役かも、と思いました。スチュアート氏も、ご本人の声や台詞回しが格調高すぎるから……
そしてまた、ウルヴァリンがローグを助けに行くシーンでは、雑誌『Cut』のヒューへのインタビューで読んだ、ブライアン・シンガーが「スーパーマン(クリストファー・リーブ)がロイス・レインを助け出すシーンを意識してやってくれ」と演技指導したという話を思い出して、クライマックス・シーンだというのに笑いがこみ上げてしまいました。
しかもそのために、シンガー監督のトレイラーに連れて行かれて、『スーパーマン』のそのシーンを観させられたという……
でもやはり、ローガンとローグのいろいろなシーンは、何度観ても胸が痛み、思わず涙ぐんでしまいます。
誰とも触れ合えない痛みと、ただひとり触れてくれた人と──やはりシンガー監督が心情を託していたのは、この二人の組み合わせだろうと思うのです。ヒューとアンナ・パキンの演技も素晴らしかったですし。
二作目以降の疑似父娘みたいな関係も、それはそれで好きですが、この一作目みたいな関係を保っていてほしかったとも思います。
さて次の日曜日には2が地上波初登場!
『ファイナル ディシジョン』公開の翌日ですね。でも私、諸般の事情があって、映画館に行けるのは、更に翌週以降にずれ込みそうです……く~っ!早く観たい~!
話としても、ヒューを愛でる為としても、本作はとても面白い作品ですよね
久々に見て、改めて作品の良さを実感しましたよ!
あと、吹替…DVD版とは違っていて、なかなかに良かったですよね★
というか、磯部勉@ウルヴァリンは今までの中で一番のハマり様でしたよね~
そして、麦人@教授は、私もちょっと威厳がありすぎるように思いましたね…。
Qさんも同じ意見で嬉しいですv
中原茂@サイクもヘタレっぷりがサマになってましたよね!
って、吹替談義に花を咲かせてしまって失礼しましたー!
映画が好きな人には原語原理主義な人たちも多いですが、私は吹替もちゃんと「文化」だと思っています。だからこそ、訳にしても声優さんの人選にしても、大事にしてほしい訳で…
けい様のサイトの吹替版レビューも、楽しく読ませて頂いております。
今回の吹替って、実は3年前だったかに一度放映した時と同じバージョンだったらしいです。
磯辺さんのウルヴァリンは、おっしゃる通り今までのベストだと思いました。中原サイクは本当に若造でヘタレで良かったですね~(褒めてます/ase/})。
他局での放映時には、山ちゃんのスコットというのもあったそうで…そ、そんなちゃんとリーダーっぽく包容力あるそうなサイクロプスなんて(映画版)サイクじゃない!
……って、ひどいことばかり言ってますが、マーズデン氏のサイク、好きなんです