温かくなって来ましたね。そのぶん花粉量は増えているようで、つらい季節ともなりました。
映画『レ・ミゼラブル』にもあと何回行けるかというところですが。
さて、映画をきっかけに過去行われたアニバーサリー・コンサートに関心を持たれる方も増えているようです。
25周年コンサートDVDやBDは、現在CD・DVDショップで普通に買えますが、「ドリームキャスト」と呼ばれた10周年コンサート版は入手困難の模様。
アメリカでは昨年末に高画質リマスター版DVDが発売されましたが、日本アマゾンでは取り扱いがないようで、米アマゾンで直接お求めになるしかありません。
それでも、もしリージョンフリーをお持ちでしたら、是非ともご覧頂きたいと思います。本当は日本でも出来れば高画質で再販してほしいのですが……
その片鱗だけでも……ということで、下にその10周年コンサート(略称TAC)より「ワン・デイ・モア」の動画を貼っておきます。高画質ではありませんが、歌唱の素晴らしさは十分伝わると思います。
ジャン・バルジャン:コルム・ウィルキンソン
ジャベール:フィリップ・クォースト
マリウス:マイケル・ボール
コゼット:ジュディ・クーン
エポニーヌ:レア・サロンガ
テナルディエ:アラン・アームストロング
マダム・テナルディエ:ジェニー・ギャロウェイ
アンジョルラス:マイケル・マグワイア
映画『レ・ミゼラブル』にミリエル司教として出演した(寧ろ「して下さった」と言いたい!)コルム・ウィルキンソンさん、ボールさん、アームストロングさんがオリジナル・ロンドン・キャスト、クーンさん、マグワイアさんがオリジナル・ブロードウェイ・キャストです。
またシドニー・キャストのクォーストさんは古今東西最高のジャベール役者として名を轟かせた人です。ご興味のある方は、この人の「スターズ」また「自殺」を是非お聴きになって下さい。
上のODMでは、センターのマイクをバルジャンとジャベールでシェアしているところがなんかツボです。
もう一つ、以前から何回かご紹介したことがありますが、1987年度トニー賞授賞式より、オリジナル・ブロードウェイ・キャストによるパフォーマンスを。
一日の終わり→ワン・デイ・モアと続きます。
実はネットにはもっと画質の良いものもあるのですが、実際の舞台がどういう演出で行われているかの参考にはなると思います。
バルジャンのコルム・ウィルキンソン、エポニーヌのフランシス・ラッフェルはロンドン版に引き続いての出演。コルムさんとクーンさん(コゼット)、マグワイアさん(アンジョルラス)は前述TACキャストでもあります。
当日のマイクの調子があまり良くなかったようで、特にマリウス役デイヴィッド・ブライアントさんにはちょっとお気の毒な感じです。ラッフェルさんの声も悪目立ち(耳立ち?)しているような……
アワードのパフォーマンスなので、テナルディエ夫妻の登場も切穴からではありませんが、"Every man will be a king" を嘲笑するテナはいいですね。ジャベール役テレンス・マンさんはBWの人気スターで、この日も大きい拍手を受けています。
そして、ひときわ長身のマグワイアさんが行進のセンターにいるのは舞台映えしますね。確かこのトニー賞で助演男優賞も受賞しているはず。自分が知っているのはTACの方ですが、「アンジョルラス」と言うとやはりこの人の印象が一番強いです。
もう一つ(個人的に)特筆すべきが、アンソニー・クリヴェロさん演じるグランテールの小芝居!
アンジョルラスの許まで行こうとして、彼の傍らで熱狂する仲間を見ると近寄れず、思わず背を向けてしまうけれど、可愛いおねえちゃんもいるしまあいいか──という流れで、短い中「グランテール」というキャラクターを見事に表現しています。
どうやって見つけるかと言うと「アフロの人」。正直言ってこのヘアスタイルは許せませんが、おかげで見分け易いのも確かです。手にはやっぱり酒壜を持ってます。
そして、このクリヴェロさんもTACキャストの一人。役はこの時と同じグランテールです。というわけで、やっぱりアンジョルラスとグランテールはセット扱いなのね…と思いました(笑)。