昨日とは打って変わって気温が下がり、逆に湿度は上がりました。そのせいか昼寝しても変な…と言うか妙に疲れる夢ばかり見るし、つくづくこういう気候は苦手です。
そんな日でしたが、買い物がてら娘と待ち合わせて外で夕食にしました。このところ外食が多くなっています。
その前、久しぶりに立ち寄った書店でこの本を見つけ、購入しました。
太宰治の辞書 (創元推理文庫) | |
北村 薫 | |
東京創元社 |
北村薫さんの「円紫さんと私」シリーズ、17年ぶりの新刊です。このところミステリ界の動きにすっかり疎くなり、こういう本が出ていることも知りませんでした。
さっそく読み始めましたが、今のところまだ円紫師匠は登場していません。今では書籍編集者として出版社に勤めている「私」が、ふとしたきっかけで芥川龍之介、そして太宰治の作品に隠された「秘密」を探っていく「花火」と「女生徒」を読んだのみです。
「私」の物語なのか北村先生自身のエッセイなのか判然としない線を渡っている感もありますが、その「書物を巡る冒険」が実に面白くて、久しぶりににワクワクしました。持ち前の好奇心や編集者としての嗅覚と言うより、「私」は根っから学究の徒なのだと思います。自分も長らくこの感覚を忘れていたと、新鮮な気持ちになりました。
いつもいつもツイッターの攻撃的だったり扇情的だったり、そこまでではなくとも必要以上に強い表現の短文ばかり読んでいては、頭も心も荒むばかりだと反省。140字前後で要点や主張を伝えなくてはならないというのは、コピーライティングまたはジャーナルの文章であって、小説や文学とは何の関係もないと痛感しました。
自分もこんな文章を書いていないで、早く続きを読まなくては。そして太宰の「女生徒」も読みたくなりました。