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去る9/24、丹波哲郎さんが亡くなったことは、皆さんも既にご存知のことと思います。
gooニュース
連続ドラマや単発ドラマからバラエティまで、TVにもどんどん出る人だったから、私などはそちらの印象が強いですが、映画での代表作はやはりこの『砂の器』あたりでしょうか。(まだ表示に障害があるようですね)
もちろん、『暗殺』等もっとギラギラしていた時期の作品を挙げる人も多いと思いますが。
今でこそ日本映画史上に残る名作と言われる作品ですが、公開当時は、松本清張原作の「推理小説」としての論理性より、犯人の生い立ちや心情に重きを置く構成に、特に本格ミステリ方面からの批判も多かったようです。
私自身も本格ミステリファンの端くれだった為、長らく敬遠していて(重い話なのは知っていたから、観るにも覚悟が要りそうだと思っていたし)、初めて観たのはもう十年くらい前になるTV放映時でした。
その時思ったのは、やはり犯人が犯行に到るまでのつらい過去、父と子の放浪の物語こそが、この映画を名作たらしめているということでした。
原作での犯人像は、出世と保身の為に手段を選ばぬ人物として描かれ、その「過去」についても、父子を巡る人たち、また彼ら自身にもあった無知や偏見への批判を秘めていたのではなかったでしょうか。
しかし、原作にあった怒りや憎悪を、人間が生きていくことにまつわるどうしようもない悲しみに変換した脚色(脚本は橋本忍と山田洋次という屈指の名ライターたちだったんですね)は、間違ってはいなかったと思います。
名曲『宿命』に乗せて描かれる父と子の旅は、四季おりおり美しい日本の風景に彩られていますが、それはつまり、撮影にもそれだけの時間と手間をかけていたということを意味します。
キャスティングも、もちろんストーリーも、やはり今の時代では作れない重みのある映画だったと思います。
そして、そのラスト数十分にわたって明かされる犯人の過去とは、実は捜査会議の席上で丹波哲郎扮する今西警部補が語る「物語」だったのです。
それこそTVでばかり丹波さんを観ていた私は、失礼ながら「この人ちゃんとやれば、ちゃんと上手い人なんじゃないか!」と驚いた憶えがあります。
すべてを語り終えて犯人逮捕に向かう時の、若い吉村刑事(森田健作)との短い会話、
「彼は父親に会えたでしょうか?」
「会えたに決まっとる」
この一言に籠められた万感の思いが胸に迫ります。
捜査シーン(聞き込みとか)でのこのコンビの描写も、なんだかいい感じでした。
『砂の器』と或る意味対極なのが、ショーン・コネリー主演007シリーズの随一の珍作と名高い『007は二度死ぬ』でしょうか。
一時は「国辱映画!」と言われたものですが、現代の目から観ると、とにかく笑えます。
時の横綱、佐田の山がエージェントだった!という笑撃の事実や、いくら何でもその程度のメイクで「日本人」になりすますのは無理ってもんだぜボンドさんよ、とか突っ込み所満載。
描かれるのは「ガイジンの目から見た『美しい日本の風景』」です。まあ、現在に到るまで、特にアメリカ映画に於ける「日本」の描き方は、程度の差こそあれ「高度な文明を有する異界」でしかないんですけどね。もちろん『キル・ビル』みたいに、そういった勘違い描写自体をパロディ化した映画もありますが(でも、監督自身はわかってやってることでも、アメリカとかでは、あれが「正しいニッポン」と思われているのかも…)。
で、この映画に出て来るタイガー田中。こちらの方が、TV等からイメージされる「丹波哲郎像」には近いかも知れませんね。
ニューオータニに秘密基地を構え、丸ノ内線(特別な内装付き)を私的な移動手段とし、熊本城をニンジャ訓練機関とする男、タイガー。こんな役を違和感なく演じられる役者が、丹波哲郎以外にいるであろうか!という感じです。
ボンドガールの浜美枝と若林映子は、その数年前の『キングコング対ゴジラ』にも二大ヒロインとして出ていて、あわや「国際ジャンルムービー女優」になるところだったのかも。
馬鹿な方向に話が流れてしまいましたが、一緒に仕事した人たちから愛されていた丹波さん。一方で、息子さんの義隆さんが、お父さんや父と子としての関係を語る談話などは、けっこう切ないものもありました。
ご本人の思想からは、新たな旅立ちということになるのでしょうか。望んだ世界へと無事辿り着かれますように。
あれって姫路城だったんですね。遠目で見て熊本城かと思っていましたが、記憶のみで書くのはやはりいかんですね。
姫路城だったら、いっそう豪勢なニンジャ屋敷ということに…
ご指摘ありがとうございました。
TVでしかみてなかったので、あら、この人、かっこよかったんじゃない、って思いました(^^;
「砂の器」は重そうですね。
…ちょっと見れないな…。
『砂の器』は、重く悲惨な話を音楽と丹波さんの存在感がまとめてくれた感じでした。