佐々木譲 『警察庁から来た男』 評価★★★★☆
「うたう警官（笑う警官）」に続く道警シリーズ第2弾。
［ストーリー］
津久井はうたって以来、警察学校の修繕係という報復人事を喰らっていた。道警本部生活安全部に、警察庁から特別監察が入る。キャリア監察官の藤川は、生活安全部に暴力団と癒着があるのではと疑念を持ち、百条委員会で“うたった”津久井に監査の協力を要請する。
人身売買されたタイ人の少女が交番に駆け込むが暴力団に引き渡された事件、風俗店から転落死した男性が事故死扱いにされた事件、すすきのの一斉摘発で成果があがらなかった件があり、藤川は暴力団と生活安全部の癒着を疑っているのだ。
佐伯も転落死した男性の父親から再捜査を依頼されたことをキッカケに、藤川から協力を依頼される。
［感想］
廃墟に乞うで直木賞を受賞した佐々木氏。嬉しいですね。
佐々木譲作品、警察小説の面白さを知った作品でした。
「うたう警官」より先に読んだ作品なのですが、シリーズ物だけど独立した話なので1作目を読んでいなくても、すんなり物語に入っていけました。
個人的には「うたう警官」よりもこっちの方が面白かった。
警官の腐敗をキャリアの意地にかけて追いかける藤川。キャリアっていうと融通が利かなくて出世しか考えていないってイメージだったけど、藤川は違うんですよね。カッコいい。
最後は藤川の粋な計らいで津久井にも警官としての未来が開けたのが、スッキリでした。
「うたう警官」で活躍した佐伯や小島百合も登場し、津久井の協力していくのですが彼等の捜査力や情報収集力は凄いものがありますね。
シリーズ第3段は警官の紋章。
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