一寸の兎にも五分の魂~展覧会おぼえがき

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「竹本義太夫墓石修復資金勧進事業報告書」についての簡単なご報告

2013-09-10 | 文楽
2013年8月28日、大阪四天王寺で開催された「初代竹本義太夫師三百回忌記念行事」の際に配られたという、

「竹本義太夫墓石修復資金勧進 合わせて 浄瑠璃界先師墓石修復資金勧進事業 事業報告書」

という文書が、東京の国立劇場小劇場にて開催中の「9月文楽公演 通し狂言 伊賀越道中双六」(初日の報告はコチラ)会場にて配布されております。



少なくとも、初日にはかなりたくさんの量が机においてありました。

8月末の記念行事には行きたいと思いつつも、仕事に絡めとられて足を運ぶことができず残念に思っていたところなので、この報告書だけでもいただくことができてとてもうれしく思いました。

記念行事(法要)の模様はコチラで見られます。

(実は、参加された方のご厚意で、当日配られたという報告書を見せていただいてはいたのでした。本当にありがとうございます!)

この報告書には、中間決算報告として、いくらの寄付金が集まったかとか、どういう支出があったかということが実に事細かにきっちりと記載されており、それについてはすでにツイッターなどで報告もあるのですが、わたしがびっくりしたのは「浄瑠璃(義太夫節)界先師石塔群」についての実に詳しい報告が15ページ近くにわたって記載されていることです。

それぞれの供養等の概略、来歴に加えて、図や写真なども盛り込まれ、墓石や供養塔の説明と同時にそれぞれの人物についても概要がわかるようになっており、とても勉強になります(それらの情報の一部は、『増補浄瑠璃大系図』より転載されたとのこと。この書籍については、コチラを参照)。


(報告書の1ページ)

場合によっては碑文なども書き起こしてあったりして、なんというか、実にマニアックな内容です。

それに引き続き、今回行った墓石の修復経過もたくさんの写真と解説によって報告されており、

「ほほ~、供養塔というのはこういう構造になっていて、こういう風に修理するのか」となかなか興味深いものでした。


(裏表紙)


それにしても、これだけの情報量をまとめるのは、校正含めてけっこう大変だったのではないかと……。

というわけで、関心のある方はぜひ、「9月文楽公演」の会場で手にとってみてください。


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