私の美術館巡り
ここ一週間で三地域6つのミュージアムを見て歩いた。
私の楽しみでもあるが、神経の疲れやストレスから解放されたい、自分の世界にじっくり浸りたい時、
絵の制作が進まない時など何かにつけて美術館・博物館・歴史館など歩き回る。
展示作品だけでなくそれらの建築空間に入るだけでとホッと気持ちが落ち着く。
上野で二つの関連する展覧会を見てきました。
東京国立博物館
黄金のアフガニスタン 〜守りぬかれたシルクロードの秘宝〜
「文明の十字路」と言われるようにさまざまな地域から人々が集まり多彩な文化が花開いた
シルクロードの要衝と言われるように当時のアフガニスタンの豊かさと高度な文化とその品々を見てよくわかる。特に黄金の装飾品の緻密な細工と技術の高さ、しかも微小なおびただしい数に施されて いる。
東京国立博物館表慶館 黄金の冠 右下は藤ノ木古墳出土 金銅製冠 図録より)
アフガニスタンは戦禍・破壊・略奪などで膨大な文化財のアフガニスタン国立博物館の所蔵品が失われた。
しかしなぜ黄金の秘宝は残されたのだろうか。 国の宝を守ろうとした勇気ある博物館員が貴重な文化財を
秘密裏に安全な場所に運び出し命がけで長いこと守りぬいていた。
東西文化が融合したヘレヌズム文化を象徴する美術品の数々の展示品でした。
東京芸術大学 アフガニスタン特別企画展
バーミヤン大仏天井壁画 〜流失文化財とともに〜
東京芸術大学展示館 バーミアン大仏天井壁画の実物大に修復復元したもの NHK新日曜美術館より
アフガニスタンの文化財が博物館からの略奪や、遺跡からの盗掘などで日本や欧米などへ流失、それらは保護すべきと日本画家・平山郁夫により提案され「文化財難民」としてユネスコの総会で認められた。
日本では保護・手当てをし破壊の現状を告知し支援した。東京芸術大学では膨大な資料と再生技術で修復復元に取り組んだ。 天井壁画は見事に再現され、その位置から眺めた雄大な情景もスクリーンで見れた。
現在保護している「文化財難民」は2016年に正式にアフガニスタン政府に返還されることになった。
バーミアン渓谷1973年の写真
優れた文化遺産は人類共通の貴重な財産。