日本史大戦略 ~日本各地の古代・中世史探訪~

列島各地の遺跡に突如出現する「現地講師」稲用章のブログです。

釈迦山古墳|千葉県市原市 ~現状では前方後円墳であることが分かりにくい古墳~ 【梅雨の晴れ間に上総古代史探訪 ⑱】

2019-12-15 18:55:42 | 歴史探訪
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 手元の『房総の古墳を歩く [改訂版]』によると、姉埼神社の南側には釈迦山古墳があるようです。

 行って見ましょう。

 地図で見る限りでは道一本隔てたお向かいさんという感じです。

 多分、これだな。



 案内板や標柱などはありませんが、上に登ってみます。

 おそらくこれが墳頂。



 いやー、でもここは普通の雑木林のようになっていてよく分かりませんな。







 周囲には現代のお墓があります。



 うーん、多分今見たのが釈迦山古墳だと思います。

 ところで、市原市は埋蔵文化財調査センターのホームページのコンテンツが充実しているのですが、その中の考古研究室コーナーに市内の遺跡について詳しい説明があります。

 その中の釈迦山古墳のページから当該古墳についてまとめると、墳丘長93m、後円部高12mの大型前方後円墳で、1995年に墳頂部の確認調査が行われました。

 それにより、全長9.1m、幅1.6mの粘土槨が判明しており、埋葬施設周辺から蛇紋岩製の管玉7点や土師器の高杯などが出土しています。

 出土した土器の形状は古墳時代前期中頃の特徴を示しており、前期の古墳で間違いないと思います。

 さて、前期の古墳だとすると、前方後円墳集成3期にこれから見に行く予定の姉崎天神山古墳も位置しており、ちょうどそれと同じころになりますが、まったく同時期に大型古墳を2基作る可能性は低いため、両者はタイムラグがあるはずです。

 現状では、その前後関係は不明です。

 というわけで、つづいて鶴窪古墳を見に行きましょう。

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