レトロな、質素なイメージの、この一冊。
すごい、スタイリッシュで、所有してる、それだけでも満たされるよう。
「ちいさいおうち」で有名な、バージニア・リー・バートン の絵。
版画を用いています。全ページ、白黒。But内側の表紙はとってもきれいなカラーです。
内容はシンプル。いたずらな機関車ちゅうちゅうが、脱走してしまう話だ。
ブレーキの音とか、汽笛の音とか、擬音語を随所に使っていて、お話の文章もしっかりしている。3~4歳からが適当だろう。カラーじゃないことは、そんなに心配しなくても、子供は版画の絵に食い入るように見つめる。
最後は、観念して、やっぱり元の仕事に戻る。
それは、教訓的であるようにも思えるが、ごく自然な話で共感する。
大判と小さい判が出ているが、せっかくなら大判を買うのがお勧めです。
ちなみに、うちにあるのは、おばあちゃんがプレゼントしてくれたものです。
子供に媚びない、名詞の使い方(アーチボールドなど)も、いいなぁと思う。
100%理解されずとも、いいのです。そう思う。
そして、話の全体を通じて、なんとも言えない「愛」が感じられるのは私だけだろうか。
ちゅうちゅうを心配する、ジム・オーリー・アーチボールド、この三人は、ちゅうちゅうを可愛い存在に見せるのに効果的に登場していると思う。
ちゅうちゅうは、機関車と言え、既に命ある生き物のよう。
ちゅうちゅうに感情移入できるので、面白いのだ。
3歳のお誕生日などにお勧めの一冊だ。