久しぶりに、楓のアルトリコーダーを吹いてみました。これは、私が3年前にリコーダーを始めた時のリコーダーです。高音が、スースーと抜けたような音がするので、それが気になっていたんです。Fから上の音は、当時は上手く出せなかった。でも、プラスチックのリコーダーなら、簡単に出るんですよね。そのうち、今、毎日のように使っているBoxwoodのリコーダーを譲り受けたんです。ある女性が、12歳から30年間持っていたけど、もう吹くことはなくなったからと言って、私の所に来ることになったんです。でも、12歳から30年間も持っていたということは、やっぱり、この方にとっては、とても大事な物だったのでは?
音は、楓のリコーダーよりもいいけど、穴の位置が違うんですね。同じアルトでも、こんなにも違うのかあと思って。ダブルホールの間隔が、楓のリコーダーよりも広いから、私の小さな小指でふさぐのが大変でした。でも、Boxwoodのリコーダーなら、高音を出すことができたのです。
木製のリコーダーって、一日に長時間吹き続けると良くないんですよね。だから、楓とBoxwoodとプラスチック3本で、練習してました。そのうち、姉が、Rosewoodのリコーダーを買ってくれたんです。持った時に、手にフィットして、これだ~!って思ったんです。でも、音は実は、あんまり好きになれなくて(笑)その前に、誕生プレゼントにもらったPlumwoodのソプラノの音が、すごく好きで、そういう音のアルトが欲しかった(笑)
でも吹いているうちに、音も変わって来るんですね。その頃には、もう楓のリコーダーは吹かなくなっちゃった。
久しぶりに吹いてみた楓のリコーダー。明るい音が出るんです。しかも、当時上手く吹けなかった高音が、吹けるようになってる。無理をしなくても、Fから上の音が出る。当時高音が出せなかったのは、ただ単に出す技術がなかったんですね。スースー言ってた音も、息の入れ方が当時と違うから、そんなに出ない。やっぱり少しスースーするんですけど。
ってことは、上達してるんだ~(笑)ちなみに、Boxwoodのダブルホールも、今は問題なく塞げます。
若い頃にリコーダーと出会っていたら、って思うこともあるけど、若い頃に出会っていたら、今のように好きになれなかったかもしれない。若い人の方がきっと、技術を学ぶのは速いでしょう。この歳から始めると、限界があるのかもしれない。でも、リコーダーが広げてくれた世界というのは、大きくて、それは決して無駄ではなくて、私に必要なんだと思う。
鍵盤楽器しか弾いてないと、音楽はバロックから、なんて思ってたりする。確かに教会ではポリフォニーをたくさん歌うけど、ルネッサンスの音楽をそんなに意識したことはなかったかもしれない。リコーダーを始めてから、合唱曲でも、ByrdやTallisが目に入るようになった。歌を歌っていると、歌詞を歌うことに集中しすぎて、曲に意識が行ってないことがよくある。指揮者がいるから、指揮者の指示通り歌えばいいから。
おそらく、日本の多くの人にとっては、リコーダーと言えば、小学校で習うソプラノ、中学校で習うアルト、どちらもプラスチックの楽器しか知らなくて、それが美しいバロック音楽を奏でる木管楽器だなんて、知らない人もいるでしょうね。
スコットランドでは、小学校でもリコーダーは教えないから、子どものおもちゃの扱いになってる。だから、教会で練習してたら、文句を言われたんですよ。でも、その文句を言った人は、もう教会に来てない。そのことで、司祭とも揉めた。嫌な思いをすることもあるけど。
公園で練習してると、わざわざ足を止めて聴いてくれる人もいる。「それ、リコーダー?」「リコーダーがこんな温かい音が出ると思わなかった。」って、びっくりする人も多い。大抵フレンドリーな反応がある。この季節は雨が多くて寒いから、公園では吹かないけど、夏の間、公園で吹いていると、2羽のカラスが飛んでくるようになったんです。このカラスが私のオーディエンス(笑)。
なんか、とりとめのない話を書いてしまいました。試験が近いから、色々思うところがあります。でも、試験って、関係ないですよね。試験を受けてなくても、やっぱり練習してるだろうし、上手くなりたいって思うし。一体私は、どこに向かっているのでしょう。公園のカラス夫婦に聞いてみようかな(笑)。
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