砂山の砂に腹這ひ初恋のいたみを遠くおもい出づる日
石川啄木の短歌です。
祖母が入院中、病室で、何度歌ったことか。色んな人が歌ってるのですが、どれもしっくりこなくて。YouTubeにたくさん上がってます。
1995年に亡くなった祖母。祖母はいつも、私の味方でいてくれました。この啄木の短歌に越谷達之介が曲を付けた歌が、祖母のお気に入りで、小さな時から、「りこちゃん、歌って」って頼まれました。だから、まだ小学生の、初恋もわからない私が、この歌を歌わされていたんですね(笑)。だんだん大きくなるにつれ、その意味も少しはわかるようになって、だんだん私の歌のレパートリーとなっていきました。
祖母が倒れたという連絡があったのは1994年、当時ドイツにいた私ですが、すぐに日本へ飛びました。集中治療室で歌う「初恋」。その後、祖母は持ち直し、意識は戻らなかったけど、普通の病室に移されました。お医者様は、祖母は意識がないって。でも、私が歌うと、目を開けたんです。私はドイツへ戻りましたが、そのあと祖母は1年意識のないまま生きました。本当に、意識がなかったのかな?
祖母が、祖父と知り合う前、気になっていた男の方がいたらしいのです。その方が、満州へ渡る前に祖母にあてた手紙に、この和歌が書かれていたみたいです。
1995年に、祖母が亡くなったという便りを受け取り、当時学んでいたクリスチャン・カレッジのチャペルで、「初恋」を歌ってから、もう歌っていません。
あれから何年も経って、すっかり忘れていたのですが、ネットで啄木の「初恋」の話が。
もしも、祖母がまだ生きていたら、相談したいことがあるなあ。相談したい、恋の話(笑)。
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