最初の10分は当時の戦争の映像で繋がれ、記録映画といった感じ。その映像の最後に裁判の元となった処刑事件にちらっと触れ、本編に入っていきます。最初、淡々と裁判が進んでいくので、多少単調さを感じざるおえませんでしたが、びっくりしたのが、その裁判の公平さ。弁護人(もちろん米国人)がちゃんと弁護しているのです。私の知識不足とはいえ、これには驚きました。全部の戦犯裁判がそうだったとは思えませんが、こういう裁判もあったのですね。。。。
ほとんどが裁判のシーンなので、裁判に関係する人以外はほぼセリフがありません。岡田中将の妻役の富司純子も一部ナレーションを除いてセリフは無いに等しいのですが、さすがベテラン、表情だけでも十分色々な事が伝わってきます。主演藤田まことの落ち着いた演技もさすが。多くの助命嘆願が国内外から出る程の人物だったというのが藤田さんの抑えた、しかし毅然とした演技でひしひしと伝わってきました。
西村雅彦、蒼井優、田中好子が裁判の証人としてちょこっとだけ出演。田中好子さん演じる証人の生生しい証言には胸が痛くなり、目頭が熱くなりました。
涙腺の弱い私は中盤以降はほぼ泣きっぱなし。。。裁判中、公正な裁判に礼を述べるシーンや、判決が決まって家族に「本望」と言うシーンや部下と別れるシーンなんてヤバイです。どのシーンでも気づくと涙が頬を伝っていました。エンドロールの森山良子の歌も染みましたわ~。
一つだけ残念だったのはナレーターの竹野内豊。上ずった声が最後までどうしてもどうしてもしっくり来ませんでした。初ナレーションらしいですが、ちょっとミスキャストかなと思いました。
字幕が読める年齢以上の人であれば「知る」という意味で是非観て欲しい映画ですね。
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