まずメインのキャラクターからして妙です。自分で「敏腕」と言ってしまう半任優里(はんにんゆうり)警部と、相棒のやけに足の速い南登野洋子(みなとのよーこ)巡査。この2人の掛け合いはボケとツッコミ、まるで漫才です。そして事件はいつも「敏腕」の半任警部ではなく、明探偵(めいたんてい)事務所の明老人が解決してくれます。
各短編に出てくる登場人物の名前もすごいです。住友正次(すみともしょうじ)に岸魁生(きしかいせい)に歌川椎奈(うたがわしいな)に貴志理徹(きしりとーる)と洒落だかなんだか…な名前ばっかり。舞台は横浜で観光名所がこれでもか!といくらい出てきます。
それでもってちゃんとミステリーなんですから、すごいものです。いろんなものがてんこもりでまるで幕の内弁当みたい。いろんなものに目移りしたりにやけたりしている内に読み終わってました。めまぐるしいけど面白かったです。
みなとみらいで捕まえて 鯨 統一郎 光文社 このアイテムの詳細を見る |