以前にも話しましたように、サブリース契約・・・
つまり、業者が、オーナーといわれる人からアパートを一括借上げして、それで賃貸業を営み、オーナーに一括借上げ家賃を支払う・・・
という契約は、賃借人である業者の方が立場が強く、オーナーというのは名ばかりで、結局業者のいいなりにならなければならない、ということで問題視している弁護士会もあります。
しかし、まだまだオーナーを保護するシステムが、行政面でも、司法面でも十分にできておりません。
したがって、まだまだオーナーは自己防衛しなければなりません。
今回は、家賃減額請求とそれに続く解除の問題について、ちょっと述べたいと思います。
なお、今回述べる問題は、築15年以上くらいの、比較的古い建物についての話です。
新しく建築されて、一括借り上げ契約をしてい建物については、情報を得ていないのでわかりません。
まさか、新しく建てばかりで、家賃の減額交渉をされるようなことはないと思います。
1.賃料減額について
以前、ブログでも書きましたが、賃料の交渉について、借地借家法が適用されると最高裁が判決を出してしまったので、基本的には、近隣の相場家賃等を基準に家賃の交渉に応じなければなりません。
しかし、最高裁は、「サブリース」契約であることも重視しており、一般の大家と賃借人の場合とまったく同じように交渉していいとは言っていません。
そして、最高裁を受けて、判決を出した高等裁判所の判決では、「家賃をどんなに下げても、ローンと固定資産税の支払を下回るような減額はダメ。」と言っています。
ですから、家賃の交渉も、業者がローンの支払を無視した赤字になるような提案をしてきたら、無視して交渉を打ち切ればいいと思うのです。
2.そすると、「解除」と言ってきます。
これについては、私が実際に担当しているレオパレス(訴訟を提起しています。)について話したいと思います。
他のサブリース業者については、詳しい情報を持っていないので、適当なことは言えません。
まず、レオパレスの解除の根拠は、建物賃貸借契約に入っている「2ヶ月前に通知すれば解除できる。」という条項です。
しかし、私は、これでレオパレスが一方的に解除するのは無理と思います。
この点は、まだ裁判例が出ていないので、確実ではありませんが、契約の内容や、契約に至る経緯、契約後の経緯からは、そう思います。
(1) まず、契約締結時に、解除の条項についてまったく説明がないことです。
大きなお金が動き、大きな財産に関することですから、話しを持ちかけたレオパレスが、「解除条項」という重要な点については説明すべきです。
ところが、30年安定(上昇)収入のおいしいシュミレーションや絶対返済できるというローン弁済計画のシュミレーションなどを説明し、30年一括借上げを強調するばかりで、解除があること等一言も説明していないはずです。
とすれば、レオパレスは30年間借りるつもりだったと考えるのが素直でしょう。
よって、上記の解除条項が適用されるのは、レオパレスの一括借上げ期間が終了してからになると考えられます。
(2) また、その後、共済会や、それが移行したトータルサポートシステムが出来た時も、30年(25年)保障のための共済会・システムを強調しているはずです。
(3) それを、経営が苦しくなったからと言って、自分勝手に変更することはできません。
常識で考えてもおかしいです。
(4) 中には、30年(25年)一括借上げの別途の契約書や、念書を交わしている場合もあります。
ですので、いざというときのために、レオパレスが出したシミュレーションやパンフレット、契約書等の証拠となりそうなものは全て保管しておいてください。
レオパレスの言っていることがあまりに勝手すぎるので、もうレオパレスと手を切る・・・と言って、自ら解除されるオーナーの方もいらっしゃいます。
ですが、こちらから解除すると、レオパレスの責任追及は難しくなります。
こちらから解除せずとも、レオパレスから解除されれば、その後物件をどのように運営するか問題になるのは同じです。
あわてずに、解除されてから、これからのことを考えてよいのではないでしょうか。
確かに、ローンの支払があるので、解除されてのんびり構えているわけにはいきませんが、支払われる家賃から、解除に備えてできるだけ蓄えを作っておき、解除されても多少の期間堪えるだけの体力をつけておくべきだと思います。
(また、緊急の時は、仮処分といって、裁判する事を前提として、今まで通り家賃を支払ってもらう請求を裁判所にすることもできます。ただし、いくつかの要件、特に家賃を払ってもらわないと抵当権が実行されてしまう、生活ができなくなってしまう等の緊急性(必要性)が重要になります。また、裁判所に、担保として、幾らかお金を預ける必要もあります。)
それとは別に、レオパレスへの責任追及をどうするかも考えるべきだと思います。
約束したことは守る・・・これは、人間としても、企業としても、絶対に必要なことだと思いませんか?
もし、守れないのなら、素直に謝るのが筋ってもんでしょう。
相手が大企業でも同じです。
どうか、立ち向かう勇気を忘れないでいただきたいと思うのです。
だから、レオパレスが作ったオーナー会でなく、このようなネットを通じてでもいいので、オーナーどうしで連帯・連携をすべきではないでしょうか。
返事が遅くなり済みません。
ただ、大変申し訳ございませんが、諸事情がありまして、ブログ上での質問に、直接お答えすることはいたしておりません。
しかし、威圧的な態度で、減額等を迫る態度は、許せませんね。
ブログで、一般的な見解として、述べさせて頂きます。
よろしくお願いいたします。
突然営業が来て、最低ランクの物件なので、解約か減額請求権に基づき40%の減額をするよう言われました。当物件は双方の承諾がないと解約できない文言が入っております。賃料交渉も去年行われ、減額して一年しかたっておりません。
威圧的な態度にただただ困っています。契約上にない減額を受けなければいけないのでしょうか。