さんぜ通信

合掌の郷・倫勝寺のブログです。行事の案内やお寺の折々の風光をつづっていきます。 

第2回倫勝寺講座が開催されました。

2008-12-16 07:51:28 | 倫勝寺の行事報告

第2回倫勝寺講座が開催されました。

「倫勝寺講座」の第2回目が12月14日、日曜日に開催されました。

講師は横浜市瀬谷区徳善寺御住職の尾崎正善先生。

当日は午後2時から倫勝寺本堂で開講諷経を行い、その後和室に移動して「中国禅宗の成立―経典の解釈と実践―」というタイトルで3時半までしっかりと講義を受けました。

題名は難しそうですが、先生のお人柄で、ふんわりとやさしく丁寧にお釈迦さまの教えが中国でどのように展開していったかをユーモアを交えてお話しいただきました。

終了後、参加者全員に熱々のけんちん汁と住職の故郷山形から届けられたお漬物がふるまわれ、参加の方々は身も心も充実した日曜の午後を過ごされたようです。
(次回もけんちん汁をお出しいたしますので、参加の方はお箸持参でお願いします。)

当日の講義でお配りいたしましたレジメを、下記に掲載いたします。

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           中国禅宗の成立
          ―経典の解釈と実践―
                                                             平成20年12月14日
   於 倫勝寺
第一回「釈尊は何を悟られたか―縁起の法と諸行無常―」
第二回「中国禅宗の成立―経典の解釈と実践―」
第三回「日本仏教の特色―仏教思想と祖先崇拝―」

1.インド仏教の歴史  分裂と中国への伝播   
 インド仏教の展開―原始仏教(初期仏教)→根本分裂・部派分裂(仏滅後100年)
    →大乗仏教(北伝)・上座部仏教(南伝)
 *大乗経典 1)初期大乗仏典(~紀元2c)-般若経・浄土経・維摩経・法華経・華厳経
       2)中期大乗仏典(4.5c)    -解深密教・勝鬘経・涅槃経
       3)後期大乗仏典(~7c)    -密教経典「大日経」「金剛頂経」

2.中国仏教を考える
 日本への伝播の過程―インドからの直接ではなく、中国の文化を通して伝わった
 日本への影響①漢訳経典の受容-直接の翻訳を行わなかった
       ②儒教・道教等の受容。(仏教だけでなく複合的宗教思想を受容)
       ③仏教を通して他の文化も受容(文字・書籍)・美術工芸(絵画・工芸品)etc

A.中国仏教の特徴―経典の翻訳と展開
   仏教の中国化(格義仏教)
   経典の翻訳(訳経史)―古訳・旧訳・新訳  経典を訳す上での技術と思想の進歩
    中国における宗教的側面の補完―儒教・道教への影響―対立と融和 ⇔破仏

B.中国仏教史
 ①初期の仏教  仏教の直輸入時代―経典の漢訳は逐語訳 (古訳)
    →儒教・老荘思想を通して仏教を理解(格義仏教)
  ②南北朝仏教  経典の翻訳・研究の充実→隋唐仏教の準備期間 (旧訳)
  学派仏教(教学)が成立―教理教学 経典の解釈・研究が主流
 ③隋唐仏教    隋(586~617)・唐(618~907)
  学派仏教から宗派仏教へ-教判論(教相判釈)教えを分類する(日本への影響が大きい)
  玄奘(三蔵法師)―新訳  
  隋代―天台宗・三論宗
    唐代―法相宗・華厳宗・律宗・浄土教・密教の成立
  ④宋代仏教 北宋(960~1127)・南宋(1127~1279)
   禅宗が大きく発展する(中国仏教の主流へ)→鎌倉の禅宗文化への影響

C.教学の仏教から実践の仏教へ
   *禅宗の成立と隆盛→破仏後の実践仏教 
     1)坐禅の実践   釈尊の悟りの姿をたどる(達磨から慧能ヘ)
     2)日常の仏道の重視  作務・普請・食事作法 (農作業や食事作り)
     3)禅問答の発展 問答・説法の中に仏法を明らかにする
   →仏道修行を身近なものとして捉え、実践して行く
            平常心是道、行住坐臥、冷煖自知→殺仏殺祖

  道元禅の確立 南宋、如浄禅師に学ぶ(中国での参学の経験)
   『典座教訓』―「他不是吾」「更待何時」、「遍界不曾蔵」
        旧仏教の否定と正伝の仏法→坐禅こそが正しい仏道である

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レジメ下のタイトルにもありますが、倫勝寺講座第3回目は「日本仏教の特色―仏教思想と祖先崇拝―」という内容でお話しいただく予定です。
期日は明年2月中を予定しております。
参加希望の方は管理事務所にお尋ねください。

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今日のおまけ

サボっていたわけではないのですが、遠方への出張や色々な仕事が重なって更新できずにおりました。
これからまた少しずつ、かつのんびりとやっていこうと思います。

先日(12月5日)の嵐のような天候でほとんど落ちてしまった境内の紅葉ですが、落葉前の様子がとてもきれいでしたので時期がすこしずれてしまいましたが掲載いたします。

下の2枚の写真は手桶台よこの紅葉。
夏から暗紅色の葉をつけている楓ですが、やはり秋になると色が冴えてきます。

     

下5枚の写真は、鳳倫閣前の瀧の上の紅葉。
いつもは見上げているだけの紅葉ですが、瀧の上に登って写してみました。
間近で一枚一枚の葉に向き合ってみると、また趣が違います。

             

           

   

以前も紹介しましたが、生け垣の山茶花が5分咲きほどになりました。
メジロはまだ見ていないですね。来ているのでしょうか。

                                   子の駆けてひとつこぼるる寒椿 by rinshou

雲の様子も、もう冬の雰囲気です。
これで温度が低ければ、風花が舞ってきそうな雲です。

   

12月15日の朝はかなり冷え込み、乗用車の温度計ではマイナス2度でした。
毎朝お参りする子育てお地蔵さまの手水鉢にも、初氷が張っています。

早朝、園内の草花にも霜が下りています。
よく見るときれいな結晶になっているのですが、おわかりになりますでしょうか?

掃き寄せて十色重なる散紅葉  by rinshou

 

この項はここまで。
今日はもう一本続けます。
 



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