私には、顔も年齢も分からないけど、ずっと忘れられない人がいます。
男性です(笑)
それは、ず〜っと昔、25年ぐらい前のこと。
その日は友達と飲みに行っていて、帰りに一人で電車に乗ったんですね。
週末の、ちょっと遅い時間帯。
ちょうど座席も吊り革も空きがない状態で、扉付近にも立てる場所がなく、仕方なく真ん中に立っていましたが…
電車が走り出すと、まぁ、体が揺れる揺れる(笑)
おまけに、タップダンスかと思うぐらい、ヒールの音がカツンカツン響き渡ります💦
いつもよりも飲んでいたので、電車の揺れに体がふらついて、全然バランスがとれないのです😣💦
急行電車で20分、途中下車も出来ないし、どうしようかと困っていた、その時です。
私の左側から男性が現れて、すっと私の右腰に手を添えて、自分が持っていた吊革の場所に私を連れて行ってくれたのです。
その動作の、なんと鮮やかなこと!
腰に手を当てる力も絶妙で、いやらしさもなく(笑)本当にとてもスマートなエスコートぶりでした。
あのままふらつき続けていたら転倒していたかもしれない状況だったので、まさに『地獄で仏』でした。
なのに私ときたら!
「いま口を開いたら酒臭いに違いない」
「居酒屋メニューを満喫してきたから、ニンニク臭も漂うかも…」
と、急に恥ずかしくなり、軽く頭を下げ、聞こえるか聞こえないかレベルの声で「ありがとう」を言っただけでした。
その救世主は私より先に降車したのですが、その際にも、喉まで出かかったお礼が、やっぱり言えずじまいだったのです。
恥ずかしくて顔も見れなかったので、顔も年齢もわからないまま。
ただ、履いていたズボンが黒いレザーだったことだけ覚えています。
黒いレザーパンツ…ミュージシャン?
あのエスコートぶりはホスト⁈
あの日、いつもより飲みすぎてしまった事。
満足にお礼が言えなかった後悔。
あの救世主のスマートなエスコート。
色んな事が混ざって、ずっと忘れられない思い出なのです…😌✨