時はすでに11月を迎えており、もう盛岡側での撮影はきつく
なってきていた。カシオペアのような長時間停車はないので
1日1回または2回の勝負となるので、場所選びには慎重だった。
この時期になると300mmクラスの焦点距離を使うことが
多くなってきている。はやり6X7の画質は捨てがたいが、
200mmにもみたないレンズでは撮影パターンも
限度が見えていた。また当時(今も)も有名なカメラマンI氏
の作風に影響を受けてか、とても200mm以下のレンズでは
撮影できないような構図に憧れを抱くようになった。
ようやくここで望遠レンズの使い方の基本を学んだともいえる。
しかし、6X7の交換レンズで35mmの300mmクラスのレンズ
などはまったく購入できるはずもなく、そこはお手軽
テレコンバーターにお世話になる羽目に。しかし、標準がF4なので
それはもうピント合わせに苦労した記憶がある。
今のようにAFはないしF8といえば、もうファインダーは
ほぼほぼ暗くピントの山が殆どわらない感じだった。
それでもいままで使ったことのない領域がファインダーの中には
広がっていて感動していた。
そんななんちゃって望遠レンズあってこそのカットがこの日撮影
されている。場所は有名な苫米地のカーブ、アウト側からイン側
を狙って撮影するこの構図こそがいままでにない作風を物語って
いた。今でこそ普通のアングルだが、当時の自分にとっては
とても新鮮で斬新だった。以降、私の定番アングルになった。
先日のカシオペアで何十年ぶりにここを訪れたが、線間の
草が生え放題となっており、もうこのアングルは撮影できなく
なっていた。往年の撮影地故に非常に残念であった。
6003レ ED75714+1035 苫米地ー北高岩 1987年11月2日
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