シュトルム神父が帰天されて10年経ちました。二戸教会は神父がいなくなり現在は八戸鮫教会の佐藤神父が巡回ミサを行っています。教会はそのまま保存されており、シュトルム神父の息吹を感じます。道路の拡張計画があるとのこと、そうなれば壊されてしまうでしょう。
物置? 水道は無く井戸です。七輪、釜、鍋、柄杓等が見えます。
反対側に農機具がありました。鍬に混じって洋式の大鎌が3本立てかけてありました。木部はお手製で修理した箇所が見えます。
神父は効率の良い大鎌を普及しようとしていたようです。神父は農業、酪農の指導者でもありました。
リュックサックがありました。神父はこれを背負って畑仕事や山仕事に、時にはスケッチに行く時に自分で作ったパンやチーズを入れてたのでしょう。
お御堂の脇にある書斎兼アトリエ兼食卓、そのままになっているとのことでした。
書棚に独日語辞書が見えます。左側の手製のケースに筆やペーパーナイフ等が入って
いました。右端には手づくりのロザリオ(数珠)があります。沢山作って信者にあげていたそうです。
神父のスケッチ(帰天10年ミサに出席した方が持参された)
神父は廃屋のような小屋を好んで描いています。
人物スケッチ
2階に神父の寝室(あまりにもひどいので心配した信徒が増築した)がありましたが今は資料室になっています。資料室のあった神父の写真と彫刻(ピエタ)。
神父の愛用品、聖櫃は端材を利用したものでした。奥にトランクが見えます。これを持ってスイスから中国そして日本に来られたのでしょう。
神父の大きな靴と農機具
手製のフックとハンガー
ドアノブ、ロック機構も付いている。ドイツ人のモノづくり魂を感じます。
ところで二戸教会の遺品のひとつ、十字架を八戸の塩町教会にて先日関係者の了解を得てラウンジに掲げました。イエス様の顔の表情が優しく見えます。
シュトルム神父のいた二戸教会は道路の拡張工事のため取り壊されてしまいました。遺品の一部は市が保存している可能性がありますがほとんどは処分されたと思います。私も著書、スケッチ、写真を保管しています。
シュトロム神父様の記事でここにたどり着きました。
とてつもない人だということがわかりました。
有難く見させてさせていただきます。