Rosso Laboratory

VRMoNLINEの問題点(第4回:VRMoNLINE問題対策案)

さて、長々と書いてきたこの連載記事もいよいよ最終回。今までダラダラ書いてきた問題点を整理し、対策案を書いてみます。そして、グダグダの世界へと誘うとしますか(笑)。内容は「中の人」向けです。

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<VRMoNLINEの問題点>

それは「移行しても大丈夫か?という不安感」と「一度止めたら戻れないという圧迫感・強制感」の2つ。このユーザーの思いをどうにかしないことには恐らくVRMoNLINEに未来はないでしょう。


①移行しても大丈夫か?という不安感
長期的視野で見る者には「いきなり中止される日が来るのではないか?」という不安があり、短期的視野で見る者には「自分が支払えなくなる日が来るのではないか?」という不安があります。どちらにとっても不安のある現状に明るい未来はないでしょう。期待感も少しありますが、現状では不安感の方が圧倒的に強いといったところではないでしょうか。


②止めたら戻れない圧迫感・強制感
顧客を囲い込んで、安定した収益を確保したい企業側の理屈は理解します。しかし、現行制度はあまりにもユーザーを束縛してしまっているのです。また、制度で縛りを掛けるというやり方は、裏返せばメーカー側のVRMoNLINEに対する自信の無さの現れとも受け取れ、それが益々ユーザーの不信感を強めるはずですし、反発されてしまう訳です。

よって、アイマジック社は即座に、ユーザーに安心感を与えなくてはならないし、ユーザーの持つ圧迫感・強制感を取り除く必要があるでしょう。

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<VRMoNLINEの対策案>

さて、それではこれらの障害を取り除く為にはどうすれば良いのか。それには大きく分けると2つの方法論があるだろうと思います。1つはアイマジック社がVRMoNLINEの将来についてのビジョンを語る方法、そして、もう1つは現行制度の仕組みを変える方法です。


①ビジョンを語る
VRM3からVRM4への移行というものは、私は経験していませんが、所詮はプログラムの変更に過ぎず、パッケージの販売という運用体制が変わった訳ではありません。VRM4時代までは、ユーザーはアイマジック社が例えどうなろうと製品がキッチリしていれば文句はなく、アイマジック社への信頼はVRM4という製品を通じてもたらされていたはずです。よって、それまでにVRM3で築かれていたユーザーからの信頼というものは恐らくVRM4へと受け継がれたはずでしょう。

ところが、VRM4からVRMoNLINEへの移行というものは全く逆で、プログラムの変更はあまりなく、運用体制が大きく変わります。故に今度は、製品よりもアイマジック社自体が信頼できるかどうかという形に焦点が変わる訳です。そして、そのアイマジック社への信頼というものは殆ど誰も気にしたことがなく、実質的にはほぼゼロに近い状態(というよりも真空状態という表現が適切か)だったと思われます。よって、アイマジック社はVRMoNLINEに関しては信頼ゼロからの出発であることを自覚して行動しなければいけなかったのです。

toukaidou211氏はてブで指摘してくれましたが、これはまさに「物財」から「サービス」への転換という非常に大きな変化なのです。ある意味、産業分類すら異なると言っても過言ではないでしょう。

ところが、アイマジック社は恐らくそのことを理解していなかったのではないでしょうか。VRM3からVRM4への移行と同じように捉え、製品の差別化のみに執心してしまいました。これが、ユーザーをイラつかせる原因にもなったのだろうと思われます。

アイマジック社の説明下手はある程度仕方ないと諦めていますが、ここでの将来的ビジョンの説明不足は死活問題になるはずです。

ユーザーの不安を取り除く、
名演説でもしてみやがれ、ハゲ!

(本当に禿げていたら使えないというghost氏風の煽りになっちまったな、こりゃ:笑)


②現行制度の仕組みを変える
という訳で、前述のビジョンを語る方法は期待出来そうにもないので、こちらが本命になると思います。全部で3つの柱があります。


1)VRM4用ダウンコンバータの提供
これは「ユーザーがVRMoNLINEからVRM4に戻る」ための柱です。(VRM4がVRM5データを読める形の方がユーザー視点では良いかも)

これがあれば、ユーザー(少なくとも私)は比較的安心してVRM5レイアウトデータが作れます。VRM4で読み込んだ時には当然VRMoNLINE専用部品・車両は使えなくなりますが、全く使えなくなる訳ではないので、将来的な不安をかなり拭ってくれることでしょう。

VRM4も永久ではありません。しかし、アイマジック社がどうなってもVRM4で暫くは延命できるとなれば、少なくとも今のVRM4ユーザーは安心することでしょう。つまり、これによって「アイマジック社に全幅の信頼を置かねばならない」という問題を回避できるのです。まぁ、アイマジック社にとっては辛い話でしょうが。


2)リセット期限の撤廃
これは「ユーザーがVRMoNLINEに戻る」ための柱です。

くどいようですが何度でも書きます。アイマジック社がリセット期限をつけて顧客を囲い込みたいことは理解します。が、これは顧客や潜在的顧客を切り捨て、アイマジック社が自ら自分の首を絞めるものなので早期に撤廃することが得策です。継続して支払いを続けていく優良顧客になるか或いは1円も支払わない顧客ではないタダの人になるか、現状ではALLorNOTHINGをチョイスしているのです。実際のアカウント維持の運用コストがどれぐらいのものかは知りませんが、そんなに大きくコストが変わらないなら、年1000円でも2000円でも支払いそうなユーザーも汲み上げて、徐々に利用頻度を上げるべく努力する。そうすることの方が利口ではないでしょうか。

色々と考えてみましたが、やはりこれは撤廃するか或いは1年とか2年とかの長期にするかしないと、結局はユーザーを圧迫してしまい、結果として利用者の減少ということに繋がるだろうと思われます。長期に渡って離脱せざるを得ないユーザーのためにアカウント凍結申請の制度も必要でしょうし。辛い決断になることも重々承知の上で提言しておきます。

何かこれに替わる「囲い込み」の方法があると良いのでしょうけど、このページにある
「継続するほど、よりお得になる仕組みを設ける」
というのが、平和的解決方法じゃないでしょうか。まぁ、このページでも
「今の時代、本気で「顧客の囲い込み」を口にする企業があれば、頭が3年から5年遅れていると思って間違いない。」
とも書いてありますけどね(笑)。今の時代なら「囲い込み」よりも、狙うべきは「共創」や「巻き込み」じゃないでしょうかねぇ。

アフィリエイト」も所謂「巻き込み」戦略の1つでしょうが、現状の制度を鑑みると誰も他人を巻き込みたいとは思わないのではないでしょうか? 自分がやられたくないことを他人にやってはいけない」と親に躾られなかったのかな?(あぁ法人には親はいないか)。 殆ど誰も「アフィリエイト」を使っていないように見受けられますが、ネガティブキャンペーンが始まっていないだけ、まだ良かったんじゃないでしょうかね。ちなみに、この連載はネガティブキャンペーンではないですよ(笑)。


3)VRM4パッケージの提供可能性への言及
これは「VRM4ユーザーを生かす」ための柱です。

言うまでも無く、VRM4ユーザーはVRMoNLINEにとってかなり可能性の高い潜在的顧客になります。よって、全てのVRM4ユーザーを一気に囲い込もうとするのではなく、VRM4ユーザーを徐々にVRMoNLINEに取り込んでいこうとする姿勢が大切です。今は底引き網で一気に根こそぎ収穫しようとしていますが、目が粗い上に壊れやすく、カネになる魚がボロボロ取りこぼされているような状態です。もっとゆっくりと確実にシフトさせる必要があるでしょう。


<一度脱落したら戻って来れない現状の図>

つまりは、ハードランディングからソフトランディングへと作戦変更し、VRM4ユーザーがVRMoNLINEの魅力に惹かれてやってくるのを待つ姿勢が大切です。そして、そのVRM4のコミュミティをシフトに必要な一定期間衰退化させないためにも、VRM4パッケージ提供の可能性への言及が必要と考えます。

勿論、VRMoNLINE側の開発やデータ作成に労力を持っていかれることはわかります。故に出せて年1回ぐらいの発売を2~3年続けるつもりで進め、その間にシフトを完了させる。それぐらいの中長期展望をもって進めずに、性急に事を運ぼうとすると恐らくは逃げ出す優良顧客が多くなり、失敗へと繋がることでしょう。焦らないことが大切です。


<脱落する以上に汲み上げて、拡大する理想の図>

ちなみに、これについて言及する場合には、
「今後VRMoNLINEで未だ提供されていない車両・部品のみで構成されたお得なVRM4パッケージの提供もあり得ます。」
と、こう書かないと駄目でしょう。でないと今度はVRMoNLINEユーザー側が混乱するでしょうから。


この3本の柱をまとめると、つまり、こういうことです。

VRM4からVRMoNLINEへの移行を急かすのではなく、まず「下位グレードのVRM4」と「上位グレードのVRMoNLINE」の2つのラインナップを同時平行して数年は運用する。そして、上位グレードと下位グレードとの間のユーザーの行き来はある程度自由にしておき、上位グレードをより良いサービスに発展させ、ユーザーが上位グレードに定着するように後は頑張るだけ。

それだけのことです。どうせVRM4はまだ販売していくのでしょうから、そんなに縁遠い話でもないでしょ? 後は体力(開発力・資金力)の問題なんだけどね。

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<最後に>
という訳でこの提言は、アイマジック社側にすれば現状の営業戦略をひっくり返された感があるでしょうから、多分意地でも素直には乗ってこないでしょうね(笑)。

しかし、多分②の3「VRM4パッケージの提供」は、やらないことには経営が成り立たなくなるんじゃないかな?と私は思っています。VRMoNLINEスタート時にどれだけの顧客数を確保できるのかはわからないですが・・・。

私はJAMでアイマジック社の構成人員も見ているので、大体どれくらいの売上がないとやっていけないのかも予測は出来ています(予測数字を出すような野暮なことはしませんが)

VRMoNLINEだけで成立させることは現状かなり厳しいと思われますよ、これは。少なくとも暫くはVRM4等の既存パッケージの売上に頼らざるを得ないんじゃないでしょうか。リセット期限を90日に延長したことで、その3ヶ月間の資金繰りを果たして乗り越えられるか? そんな感じの持久戦になりそうな気もします(それともアレですか。VRMoNLINEはVRM4を売るための「当て馬」ですか? だとしたら、私の想像の遥か頭上を越えていく行く凄い作戦ですよ。 私にはギャンブル性が強すぎて流石に真似出来ないなぁ)

アカウント維持費を支払わなければ使えない。この縛りだけで十分じゃないでしょうか?

制度によって顧客を維持しようとするのではなく、ユーザーの意見なども取り込んでVRMoNLINEを魅力ある製品に仕上げていこうとする企業努力が大切であり、そうやって魅力ある製品が出来上がれば黙っていても顧客は付いてくる。

・・・なんていうのは理想論ではあるけど、その姿勢を見せることは非常に大切なことです。

私は会社を作ってから一度も営業活動をしたことがないという、とんでもない経営者なんですけど、「言うべきことをしっかりと伝えること」、「顧客の欲するモノを提供すること」、「そしてその結果をちゃんとアピールすること」、これらが大切であり、これらを続けてきたから特に営業活動をしなくてもやっていけているという今があるのです。これらの出来ない技術屋がどれだけ損をしているか、私は散々見てきていますしね。自分の技術に見惚れて、ちゃんと主張・アピールできないヤツを技術バカって言うんですよ。作業者が愛すべき技術バカになるのは大いに結構。しかし、マネージメントをする者はそれだけじゃイカンのです。まぁ、私の経験など大した話じゃありませんが。

IMAGIC Blog「15日以降の動作について」にて、
今後の改良について
VRM ONLINEは、スタートラインについた段階です。今後も改良作業をすすめていきます。主な改良事項は次の通りです。
・ビュワーのコンソールを抜本的に改良。ポイントの操作を容易にするなど
・地形ツールの改良
・ワイヤーフレーム上での編集機能
・シェーダーの改良
・先従台車対応(旧型電気の台車構造のシミュレート)
・植生エンジン(専用シェーダーの開発が必要)
・Webベースサービスの充実

と、このようにユーザーの意見なども取り込んで、将来のVRMoNLINEのビジョンの一部を示すことは良い事です。ただ、技術的な部分ばかりで押しても根本的な解決にはならないでしょう。コンシューマー相手の商売とは技術至上主義だけでは成立しないものではないでしょうか。

それに、VRMoNLINEの何処がオンラインゲームなのか私にはよく解りませんが、オンライン上が活動拠点ということではネットVRM界隈の方が先輩格な訳ですよ。店頭でVRMoNLINEを売っている訳じゃないですしね。そのネットVRM界隈で、このシラケムードはオンライン上での活動・宣伝においては致命的じゃないですか? 如何にその辺をうまく運営していくかということをもう1度考えるべき時ではないでしょうか。

<余談>
クライアント側で殆どを処理しているプログラムをオンラインと呼ぶべきなのだろうか?という疑問は相変わらずありますね。結局のところ、インストール時に認証が必要なVRM4が、常時認証を必要とするVRMoNLINEに変わって不正利用対策がやや強化されただけであり、何となくWindows2000(NT5.0)とWindowsXP(NT5.1)程度の違いしかないような印象です。不正利用対策を本格化させるなら、サーバ側で処理しないとあまり意味ないんじゃない?とも思います。まぁ多分、運営コストは跳ね上がるでしょうけど。それとVRMがゲームという話も相変わらず違和感がありますよ。やはりゲームというよりはツールという印象が強いです。よって、「オンラインゲーム」というよりは「オンライン認証ツール」と呼ぶ方が相応しいような気がします。まぁ、どうでもイイことですが。


<一応終わり>

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<個人的な話>
さて、当の私は、そんなこんなでVRMoNLINEへの移行は保留中です。アイマジック社が今後どう動くかを見て決めるでしょう。とりあえず期限は3/29までですか。「いつもニコニコ現金払い」の私はクレジットカードは持たない主義なんですが、一応準備だけはしておきましょう。タムタムの鉄道模型予約はクレジットカードがないとやらないなんて言っていますし(笑)。

リミットの3/29までに変化があって完全に納得できるようならばVRMoNLINEへ移行するでしょうし、全く変化がないようなら移行しないでしょう。中途半端な変化だけど可能性がありそうなら、1ヶ月間だけ支払って30+90日間また様子を見る作戦に出るかな。
名付けて「VRMoNLINE牛歩戦術」(笑)。
VRM4で作り続けて、30日間でVRMoNLINE対応分を作り込むというように。実際問題、今はこうやっているんだし。但し、この作戦は万人にオススメできる作戦でもありません。多分大丈夫だろうとは思っていますが、敢えて地雷を踏む覚悟は必要ですから(笑)。

出来れば私も本当はすんなりと移行したいし、VRMoNLINEを盛り上げていきたいんですよ。しかし、現状を考えるとVRMoNLINEへの移行はしなくても別に構わないという考えの方が強いのです。ポジティブに考えれば、これ以上費用がかからないのだし、VRM4CVのような規格モノに関しては、これ以上アイマジック社に振り回されることもないので寧ろ安泰ですし。どうしても新しい車両が欲しくなったら、その時はTrainzへの移行でも考えますよ。実際TRS2006は既に入手していますし。英文マニュアルを読むのが億劫なので今は消極的ではありますが。

12/29までなら「キハ20 一般色セット」プレゼント?
そんな数千円程度の餌で、こんな重要な局面の判断を蔑ろにできますか。

馬鹿にするなよ、ボケ。

まぁ月1000円程度のことで、こんなことを書いていること自体、甚だ馬鹿馬鹿しいことは自覚していますよ。しかし、こんな足枷が存在する制度に乗っかるなんてことはプライドが許さないといった方が強いですかね。結局のところ、「アイマジック社は既存ユーザーを信用していないんでしょ? そんな相手を信用できますか?」といったところでしょうか。完全に負のスパイラルに陥っていますね。

VRMなんて野郎しか使わないだろうに、野郎相手の商売で足枷つけて客のプライドを傷つけるようなマネをするとは、オ・バ・カ・サ・ン。わっかるかなぁ~? わっかんねぇだろうなぁ。

まぁ、今巷で流行の「ごらんの有様だよ」と後々言われないように頑張ってくださいな。あんなブラックホール級と比較するのは、あまりにもヒドイ話ですけど(笑)。

<本当に終わり>

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