茜:わぁ、なんやこれ?お父さんにそっくりのフィギュアやないか?
杏:そう、謝罪人形あきらちゃんよ。あきらさんをモデルに3Dプリンターで作ったの。試作品だけど。どう?良く出来てるでしょ?
灯:なんかきもい。
杏:そうかしら、可愛いと思うけど。
葵:社長室に勝手に入っちゃったけど、いいの?
杏:当然でしょ。私のものだもの。私は株主よ!
あきらさんは社長でも、持ち分としては精々このイスくらいかしら。ところであなた達、また試験受けるって聞いたけど。秘書検定とか。茜は秘書に向いてないからいいけど、葵は合格したらお母さんの秘書に雇ってあげるわ。
茜:お母さん、なにげにひどいこと言うな。
灯:アオネエはいい秘書になれると思うよ。怒らなければ。
葵:お母さんの秘書なんて絶対いや。お父さんみたいに汚れ仕事させられそうだし。
茜:その人形みたいにいつも頭下げてるようになるな。
杏:あら、あきらさんからだわ。なにかしら。はい、そう、わかつたわ。それじゃ、今からそっちに向うわ。
葵:また何かトラブル?
杏:どうも、この前の滑走路で動画撮影した件で警察に呼び出されたみたい。国土交通省のお役人さんが事情聞きたいって。取りあえず行ってくるわ。
警察署
署長:空港は重要な保安施設だから、勝手に入ってあんなことされると困るんですよ!あれはもう犯罪ですよ。旦那さんもずっと頭下げるだけで黙秘されてるし。
杏:別にいいじゃない。減るもんじゃないし。
署長:そういうことじゃなくて、、、ああ、蒼木局長。
局長:華緒洲あんずさん。西中学校、3年C組でしたよね?名前、変わってなかったんですね。
杏:蒼木局長、あなた中学のころ、私のことが好きだったでしょう? それと、・・・。
局長:そ、そ、そ、そんなことないですよ。それと、何ですかぁ?
杏:生徒会室前の掲示板に貼ってあった運動会とか水泳大会の写真、私が写っていたやつ、片っ端から盗ったでしょ?
局長:い、い、い、言いがかりですよ。何を根拠に?
杏:まあ、いいわ。それじゃ交渉を始めましょ。
局長:カオスさん、私達は交渉をしてるんじゃなくて、犯罪を捜査してるんですよ!
杏:わたしも犯罪を捜査してるの。三十年以上前のね。未成年だったし、時効も完成してるから刑事責任は問えないけど、、、。でも、社会的な責任はどうかしら、、、。
局長:脅してるんですか?
杏:失礼ね!人聞きの悪いこと言わないでよ!あなたのためを思って言ってあげてるのに。可愛い中学の後輩のためよ。言うなれば司法取引よ。Win-Winよね?キャリア、、なくしたくないでしょ?
杏:今回は私が犯罪を操作したから、大事にならずに済んでよかったわ。あきらさんもしっかりしてほしいわ。
また次回の動画で会えるの楽しみにしてるわ。それじゃ。