RoyalBlue ANNEX : Chaos Café RoyalBlue
Chaos Café RoyalBlue カオス・カフェ ロイヤルブルー 華緒洲三姉妹/かおすさんしまい




葵:(落ち着け私・・・

  お姉ちゃんあんなだけど、

  たまに勘が鋭い時あるから。

  それに策士だから本当は気づいてるのかも・・

  気づいていて私を試してるのかも。

  でも気づいてないかもしれないからとりあえずばれないように。

  深呼吸して・・・

  ここは乗り切ろう)

茜:葵。お姉ちゃんになんか隠してないか?

  後でばれたらやばいことになるで。

  今正直にいえば許したるけど。

葵:(お姉ちゃん、やっぱり気づいてる。

  もう隠しきれないかも。

  正直に言って許してもらおう。)

葵:お姉ちゃん!実は・・・

  私もあの人にケーキバイキングおごってもらったの。

  たぶん、お姉ちゃんが食べ終わった後だと思う。

  買い物終わってショッピングモール出て、帰る途中であの人に声かけられて。

  でも詳しい話は何も言ってくれなくて。

  ただ今日ここにお姉ちゃんと灯が来るから来てほしいって言われたの。

  だからどういうことなのかは全然わからないの。

  嘘ついてごめんね。

  お姉ちゃん。

茜:まあ、正直に言ってくれたから許したるわ。

  ところで、灯ちゃんは?

  さっきの話だと、葵と一緒に帰るときに声かけられたの?

葵:あの時は私一人。

  灯は買い物の途中で、本屋さんに行くから先に帰ってって言って、一人で本屋さんに行っちゃったの。

灯:そう。

  ほしい本があったから、ショッピングモールの中の本屋さんに行ったの。

  (別に嘘じゃないし)

茜:そういえばあの日、家に帰ってきた灯ちゃん、大きくて重そうな紙袋持ってへんかった?

葵:そうね。お母さんが「その紙袋何?」って聞いてた。

  そしたらよく聞こえなかったけど、灯が「前から欲しかった・・・」

  とか言ってたわよね。そのあとお母さんが「買ってもらってよかったわね」って。

  受験に必要な本だったの?

  それにしてはすごく重そうで・・・

  えっ!待って!

  買ってもらった?



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灯:それはそうと、なんかちょっと引っかかるんだけど。

  今、3人って言っていたと思うんだけど、私たち三姉妹って知ってたの?

  そうだとしたらなんか気持ち悪いんですケド。

  私たちのこと、あの「P」とかいう人に身バレしてるってこと?

茜:知ってたみたいや。

灯:「知ってたみたいや」って!

  アカネエ、どうして知ってるのか聞かなかったの?

茜:もちろん聞いたんやけど、「美人ぞろいの華緒洲三姉妹を知らない人はいないですよ」ってはぐらかされたわ!

葵:それで終り?

茜:そうや。他には何もないで。

  「ご馳走様」ゆうて帰ってきたわ。

葵:そんな簡単に引き受けてきちゃったの?

灯:あっ!待って!

  3人って、私たちも含まれてるってこと?


茜:もちろんや。うちら三姉妹やからな!

葵:はぁーっ。もう!お姉ちゃん!

  勝手に決めてこないで!

灯:そうだよ!

茜:せやな。ちゃんと相談すればよかったな。

  ところで葵と灯ちゃんは、何でここに来たんやっけ?

  さっき、信号待ちとか心配になってとか言ってた気がするんやけど。

葵:だから、二人のことが心配になって。

  (お姉ちゃんはポンコツだから、私がついていないと何するかわからないし)

  (あっ、そうか。私が悪いんだ)

  (ショッピングモールで私がちゃんとお姉ちゃんを見ていなかったから)

  (ちょっと目を離してしまったから・・・)

茜:そんな気を落とさんでもいいで。

  うちは無事やし。

葵:そういうことじゃないでしょ!

茜:それで、葵。何で二人が心配になったって?

  誰から聞いたん?あの「P」から聞いたんか?

葵:いや、まあ、いろいろあって・・・



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動画公開 
カオス・カフェ ロイヤルブルー 華緒洲三姉妹の混沌な日常】
プロローグ
 
 

カオス・カフェ ロイヤルブルー
【華緒洲三姉妹の混沌な日常】茜・葵・灯(あかり)の
三姉妹による何かわからない動画 プロローグ編 三姉妹の活動が始まる。
A.I.VOICE(琴葉茜・琴葉葵・紲星あかり)
かおすさんしまいのこんとんなにちじょう

「この動画は華緒洲三姉妹の混沌な日常を淡々と描くものです。
過度な期待はしないでください。」

やっつけ仕事の拙い動画ですがよろしかったらご視聴ください。


よろしければチャンネル登録お願いします。

https://www.youtube.com/channel/UCdQS2hAJ0qGbBqv27fwKqig?sub_confirmation=1

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◆ーく キャスト >ー◆
  長女 : 華緒洲 茜 (かおす あかね) 双子の姉で長女 
             CV. 琴葉茜 (A.I.VOICE) https://aivoice.jp/product/kotonoha/
  次女 : 華緒洲 葵 (かおす あおい) 双子の妹
             CV. 琴葉葵  (A.I.VOICE) https://aivoice.jp/product/kotonoha/
 三女 : 華緒洲 灯 (かおす あかり) 三姉妹の末子
             CV. 紲星あかり (A.I.VOICE) https://aivoice.jp/product/akari/

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◆ー< テーマ曲 >ー◆
 「シャイニングスター」 魔王魂
      https://youtu.be/Qd01-6xVSHk

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◆ー< 原 作 >ー◆
 RoyalBlue ANNEX : Chaos Café RoyalBlue 
  https://blog.goo.ne.jp/royalbluejp

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◆ー< 使用させていただいた素材 >ー◆
 立ち絵
  ニコニコ静画
   琴葉姉妹の立ち絵素材 ユメのオワリさん
     https://seiga.nicovideo.jp/seiga/im10706241
   琴葉姉妹立ち絵素材 あるかさん
     https://seiga.nicovideo.jp/seiga/im6772423
   琴葉姉妹/SD琴葉姉妹立ち絵 ふにちかさん
     https://seiga.nicovideo.jp/seiga/im9432587
               https://seiga.nicovideo.jp/seiga/im9809464
   紲星あかりちゃんの立ち絵素材 konnyakuさん
     https://seiga.nicovideo.jp/seiga/im8106524
   にしみや式_紲星あかりおすわり立ち絵素材 にしの・みやとさん
     https://seiga.nicovideo.jp/seiga/im8802857
  琴葉茜・葵_伊織弓鶴_背面_立ち絵 浅井麻さん
    https://twitter.com/asaiasa0
  男性(スーツ)立ち絵セット あくたばさん
    https://booth.pm/ja/items/2293149
  青年立ち絵_スーツ RAIKOさん 
    https://raiko.booth.pm/]

 背景/イラスト
  魔法陣 あやえも研究所 http://ayaemo.skr.jp/   
  みんちりえ https://min-chi.material.jp/
  気まぐれアフター http://www5d.biglobe.ne.jp/~gakai/
  Pixabay https://pixabay.com/ja/
  illustAC https://www.ac-illust.com/
  いらすとや https://www.irasutoya.com/
  アイコンアニメ素材 @UDMP https://demsato.booth.pm/items/3122939
  教室 カズオさん

 BGM/効果音
 甘茶の音楽工房 https://amachamusic.chagasi.com/index.html
 DOVA-SYNDROME https://dova-s.jp/
 効果音ラボ https://soundeffect-lab.info/
 VSQ プラス https://vsq.co.jp/plus/
 MusMus https://musmus.main.jp
 SuzukazeNote   https://ryota.site/suzukazenote/
  ありがとうございました。

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◆ カオス・カフェ ロイヤルブルーの店内 ◆

 

葵:お姉ちゃん、やっぱりずるい。

 

灯:灯も行きたかったな。

  クラスの友達とかも行ったことある人がいて「最高」って言ってたし。

  でも食べ過ぎると太っちゃうかな?

  最近体重増えたし。

 

葵:それで、どんな話だったの?

 

茜:その時の話の内容なんやけど、あのおじさん、華緒洲Pとか言って。

  ああ、呼び方は「P」でいいって。

  名刺見せてもらったんやけど「ハイパー・メディア・クリエイター」ちゅう長い肩書らしいねん。

  そんで今「カオス・カフェ」ってのを企画していて、その運営をしてくれる人を探しているっていっとった。

  時間のある時にここに来てくれればいいって。

  あとは、勉強しても、本を読んでも、動画を見てもいいって。

  実際はナビゲーターちゅうのをやってほしいって言ってたな。

  なんでもPからお題が出るからそれについて3人で解説をしてほしいとも言ってたな。

  1日10分から15分程度だから、負担にならない程度でって。

 

葵:アルバイトとかお給料とかそういう話はしなかったの?

 

茜:「資金が集まらないのでボランティア感覚でお願いします」だって。

  お金は出ないけど、実質15分くらいであとは何やっててもいいらしいから別にいいかなと思って。

  それに小さいけど厨房もあるからそれも自由に使っていいゆうてた。

  お姉ちゃんの腕がなるで!

 

葵:それでOKしちゃったの?

 

茜:まあ、そういう事や。

 

葵:支援を集めたいんだったら、今はやりのクラファンとか使えばいいじゃない。

 

葵:なんで私たちに頼むのよ!

 

灯:クラウドファンディングだと手数料取られたり、リターンを返さないといけないからとかそういうことじゃない?

 

葵:ずいぶんケチな人ね。

  「P」って、プロデューサーのことよね。

  何で肩書が、「ハイパー・メディア・クリエイター」なの。

 

灯:「ハイパーメディアクリエーター」は10年以上前に某氏が「メディアの垣根を超えて横断的に活躍するクリエーター」って意味で使っていた肩書なんだけど。

  それをまねたんじゃない?。でも何でわざわざ「エー」じゃなく「エイ」なのかなぁ。

  ますますいかがわしく感じるんですけど。

  ところでアカネエ、名刺はもらわなかったの?

 

茜:もらったんやけど、ポケットに入れ忘れて洗濯してもうた。

 

葵:あっ、そういえばおとといの朝、お母さんが洗濯したら紙クズがいっぱいついちゃったって騒いでた。

  あれはお姉ちゃんのせいだったの?



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◆ 亀田珈琲店内 ◆

 


P:ああ、茜さん、こっちです!

  ここの席です。

 

茜:思ったよりも人少ないな。

 

P:ちょうど空き始めた時間らしいです。

  ケーキバイキング、飲み放題コースにしましたけど、
  良かったですか?

 

茜:飲み放題!そんなんものまで。

  なんか悪い気がしてきたわ。

 

P:別に構いませんよ。

  こちらがお誘いしたんですから。

  それじゃ何か食べ物でも取ってきましょうか。

  ああ、それから時間があまりないので、用件だけをお伝えしたら席を外させていただきます。

  こちらからお誘いしておきながら大変申し訳ありません。

  もちろん茜さんは、時間までゆっくりしていってください。

 

茜:そうか。うちこそ悪いな。そんなに忙しいんか?

 

P:まあ、いろいろありまして。

  そういえば、この店の名物で「亀ゼリー」ってのがあるらしいですよ。

  聞くところによると、中国のほうの薬膳料理みたいです。

  バイキングには含まれてないので、別注文になってしまいますが。

  メニューに載ってると思いますので興味がありましたらどうぞ。

 

茜:後で見てみるわ。

 

P:あっ、時間がないと言っておきなから余計な話ばかりしてしまいました。

  それじゃどうぞお好きなもの、選んできてください。

  話はそれからにしましょう。

 

 



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【華緒洲三姉妹の混沌な日常 】第1話 あおいのためき #1


◆ショッピングモール内スーパー前 ◆

<店内アナウンス>

 「お客様の、お呼びだしを申し上げます」

 「華緒洲家から、お越しの、華緒洲、茜さま」

 「三姉妹の、長女、茜さま」

 「お連れ様がお待ちです」

 「至急、1階、インフォメーションカウンターまで、お越しください」

灯:(結局、呼び出してもらったんだ。

  ところで、私もそろそろ受験のこと、本格的に考えないといけないなぁ。

  でも、まだ将来どうするかなんて決められないよね。

  一応、今、法律に興味があるから、第一候補は法学部かな。

  法曹界に彗星の如く現れ、闇の世界を照らす「灯」ってのも、なんかいいよねっ!

  あぁ、私ってもしかしたら中2病?)

葵:お待たせ、灯。

灯:あっ!アオネエ、どうだった?見つかったの?

葵:アナウンスしてもらったんだけど、直ぐにお姉ちゃんからメッセージが来て、ちょっと急ぎの用事ができたから「先に帰ってて」だって。

灯:そうなんだ。迷子じゃなかったんだ。

  よかった。

葵:たぶん迷子になって、うろうろしていたとは思うんだけど・・・。

  用事ができたってのも嘘じゃないと思う。

  何となくだけどね。

灯:そうなんだ。

葵:だからお姉ちゃんの事はほっといて、買い物続けましょ。

灯:葵お姉ちゃん。ごめん。

  ちょっと本屋さんに行きたいんだ。

  受験の参考書、探そうと思って。

葵:灯ももうそんな時期なんだ。

灯:だから先に帰って。

  自分の荷物は自分で持つから。

  それじゃ。あっ、帰り少し遅くなるから。

葵:お母さんに頼まれた晩御飯の買い出しどうするのよ!

  灯。あぁ、いっちゃった。

  もう、お姉ちゃんも灯も自分勝手なんだから!



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◆ カオス・カフェ ロイヤルブルーの店内 ◆


茜:それで葵に「別行動するっ」て、メッセージ送ったわけや。

  どうや、うちもまんざらやないやろ!

  スカウトされるなんて。

葵:怪しい人から声かけられてるのに、何得意になってるの!

  いつまでも帰ってこないから心配してたんだけど、やっぱりはぐれてたのね。

  それに、電話だと私にいろいろ言われるから出なかったのね!

茜:急いでたからで、そういうことやないねん。

灯:それで危ない人についていっちゃったの?

  灯のこと言えないじゃん。

  新興宗教の勧誘とかマルチとか考えなかったの?

茜:まあ、ちょっと怪しいとは思ったんやけど、ケーキの魅力には勝てへんわ。

  前から行ってみようと思っとったし、ちょうどいい機会やから試しに食べてみるのもいいかなって。

  それにちょっと小腹もすいていたし。

葵:お姉ちゃん!


おなか一杯になってよかったわね!

葵:それで、そのあとどうしたの?

茜:そのままショッピングモール出て、亀田珈琲に行ったんや。

  すぐ前にあったから、すぐについたんやけどな。



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◆ ショッピングモール内 2階 ◆

 


茜:(あああああっ、ここどこやろ)

  (また葵と はぐれた)

  (まだ海渡ってないから日本にいるんやろうけど)

  (どうしよう、早く戻らないと葵に怒られるぅぅぅ)

 

P:茜さん?華緒洲茜さんですよね?

 

茜:(なんや、このおじさん)

  (なんか胡散臭い人やな)

  (何でうちの名前知ってるんやろう)

  (こういう輩は事件起こすかもしれないから注意しとかんと)

  うちのことか? 何でうちの名前知っとるん?

 

P:日曜日の午後にショッピングモールで、そんな服着て買い物している人は茜さんしかいませんよ。

  ハロウィンもとっくに終わってるのに。

 

茜:(めちゃ失礼なやつやな)

  (まるでコスプレしてるみたいな言われかたして)

  これはうちのいつもの服や!デフォルトのコスチュームや!

  要するにデフォコス。コスプレなんかやないで!

 

P:ああ、大変失礼しました。つい口が滑ってしまって。

 

茜:(素直に謝ってくるんやな)

  (悪人づらしとるけど、悪い人ではなさそうやな)

 

P:実は茜さんにご相談したいことがあります。

  忙しいところ悪いんですが、ちょっとお時間いただけませんか?少しお話ししたいんですが・・・

  もしお時間をいただけるようでしたら、ここではなんですから場所を変えてお話しさせていただきたいんですが。

 

茜:うち時間ないねん。

  今、葵と灯ちゃんと買い物してるで・・・

  (いやいや待てよ、もしかしたら芸能事務所のスカウトちゃうか?)

  (ようやくうちの大人の魅力に気づいたんかこの人)

  (そうなら見る目がある人かもしれんな)

  (話ぐらいなら聞いてやってもいいか)

  少しの時間やったらいいで。

 

P:そうですか。ありがとうございます。

  手短にすませますので。

  ところで茜さんはケーキは好きですか?

  このモールの前に最近亀田珈琲とかいうお店ができて、若い女性に人気らしいんですよ。

  特にケーキバイキングが流行っているらしいです。

  私がおごりますので、いかがですか?

 

茜:分かったわ。それじゃちょっと待ててや。

  葵に一言連絡しとかんと。

  また、迷子になってるって心配するから。

 

P:それじゃ、私、先に行ってますね。

  混んでると思いますので、席、取っておきますから。

 

茜:あっ!ちょっと待ってくれ。

  ここからその亀田珈琲はどうやって行くんや?

 

P:えっ!そこの窓から見えますよね。

  このエスカレーターで一階まで降りて左側が正面入口です。

  そこから出れば正面にお店が見えますから。


茜:ああ、そうやった。

  それじゃ、また後で。


  それじゃ、葵に連絡入れとかんと。

  後でうるさいからな!

 

<店内アナウンス>


 「お客様の、お呼びだしを申し上げます」

 「華緒洲家から、お越しの、華緒洲、茜さま」

 「三姉妹の、長女、茜さま」

 「お連れ様がお待ちです」

 「至急、1階、インフォメーションカウンターまで、お越しください」

 

茜:なんか子供が迷子になってるみたいやな!

  んっ! あっ、うちのことや!

  葵から着信が何回も来てたみたいや!

 

 



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◆ カオス・カフェ ロイヤルブルーの店内 ◆

 


茜:なんや、電気ついとらんなぁ。

  誰もいないんか?

  スイッチはこれか?

  ああ、点いた。

  結構綺麗になってるなぁ。

  リフォーム仕立てか? とりあえず、二人を待つか・・・。

 

灯:あっ! 茜お姉ちゃん! ひとり?

  葵お姉ちゃんは?

  まだ来てないの?

 

茜:ああ、灯ちゃんか!

  もすぐ来ると思うんや!

  ちょっと待っててくれるか?

 

葵:お邪魔しまーすっ。

  あっ! 灯。

  お姉ちゃんも。

  先に来てたの?

 

茜:ああ、せやな。

  全員集合や。

 

葵:ところで、何で私たちこんな所に集まったの?

  お姉ちゃん何か知ってるの?

 

茜:うちもなんか知らんけど、そこのコンビニで買い物してたら「P」って名乗るおじさんに声かけられて。

  ここにくれば美味しい物が食べられるって言われたから来たんやけど・・・。

  なんか営業していないみたいやな。

 

灯:「美味しい物が食べられるって」、アカネエって子供なの?

  食べ物に釣られるなんて。

  「変な人に着いて行っちゃダメだよ」って学校で教わらなかったの?

 

茜:そういう灯ちゃんこそ、どうしてここに来たの?

 

灯:学校帰りに信号待ちしていたらおじさんが声かけて来て・・・。

 

葵:声かけてきて、何?どうしたの?

 

灯:お姉ちゃん達が美味しいもの奢ってくれるからって・・・。

  ああ、別にそれだけじゃなくて・・・。

  喫茶店で勉強するの憧れてたから。

 

茜:灯ちゃんも食べものに釣られたってわけか。

  あかり私、まだ伸び盛りの高校生だもん!

  そんな事よりアオネエは何でここに来てるの?

 

葵:二人がここに集まってるからって言われて。

  お姉ちゃんをひとりにすると、何するかわからないから。

  それでなんか心配になって来たというわけ。

 

灯:本当にそれだけなの? なんか怪しい。

  そもそも、そんなこと誰から言われたの?

 

葵:いや、知らないおじさんにいわれて・・・。

 

P:お待たせしました。

  皆さんお集まりのようですね。

  それでは始めましょうか。

 

葵:あー、あの人!

 

灯:あっ、、あのおじさん!

 

茜:いきなり始めましょうって、何から?

 

P:この前、皆さんにはそれぞれ個別にお話ししましたよね。

  もう忘れたんですか?

 

茜:いや、その、あの時の事はなぁ・・・。

 

葵:お姉ちゃん、なんか私たちに隠してない?

 

茜:別に、何も・・・。

 

P:申し訳ありませんがあまり時間がないので。

  茜さんをチーフに任命しますから、後は茜さんが仕切ってください。

  お題は適当でいいので。

  ああ、それからここの設備は自由に使ってください。

  それと、ここの鍵はカウンターの上に置いておきますので、チーフが管理してください。

  それではよろしく。

 

茜:あぁ・・・、帰ってもうた。

  無責任な人やな!

  「お題は適当で」って!ほんまに丸投げや。

 

葵:お姉ちゃん! 「丸投げ」って。

  やっぱり何か隠してるでしょ!

 

灯:アカねえ、目が泳いでいる。

  今のうちに言っておいたほうがいいと思うよ。

  本気で怒らせると後が大変だから。

 

葵: 灯! 後が大変って何よ!

  私そんなに怒ったことないけど。

 

茜:わかった! もう、白状するわ。

 

葵:それじゃ、お姉ちゃん。話して。

 

茜:さっき「コンビニで会った」って言ったやろ。

  まあ、それは嘘じゃないんやけど。

  実はこの前、ケーキバイキング奢ってもらったんや。

  先週3人で、ショッピングモールに行った時や。

 

葵:ケーキバイキング?

  私そんなこと聞いてない!

  お姉ちゃんズルい!

  そういえばこの前、モールで買い物してた時、お姉ちゃん「ちょっと用事ある」って途中から別行動してたよね?

  もしかしたらあの時?

 

茜:まぁ、そう、その時や。

  あの人に声掛けられてな。

  ニコニコしながら近づいてきて、フレンドリーな感じ、いや、馴れ馴れしい感じで・・・。

 

 



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【華緒洲三姉妹の混沌な日常 】プロローグ 

※すでに公開済みのプロローグに加筆修正したものです。

 


◆ プロローグ ◆


ある日の午後、とある街にある大通りからひとつ奥に入った裏通り。

昔からある小さなお店や民家が立ち並ぶ。

人や車の往来も少なく、大通りの喧騒とは対照的に閑散としたこの通り。

そしてこの一角にひっそり佇む、ちょっとレトロで趣のあるお店に集められた三人の姉妹。

彼女たち三姉妹の日常を描く物語がここから始まる。

 


◆カオス・カフェ ロイヤルブルーへの道すがら◆

茜:(今日の天気予報は雨のはずやったけど晴れてよかったわ!)

 


◆ カオス・カフェ ロイヤルブルーの店前 ◆

茜 :(ここがあの人の言ってたお店か?

  (看板にロイヤルブルーってあるからここでよさそうやな)

  (うちにしては珍しく、迷子にならずにたどり着いたわ)

  (しかし家から1分ぐらいのところに、こんなお店があるの知らんかったな)

  (まあ、この通りめったに通らんからな)

  (カギは開けてあるゆうてたから、ひとまず中に入って葵たちを待つことにするか)

 


灯:(えぇー。あぁー? ここ、ここだ)

  (ここの道たまに通るけどこんなお店あるの気が付かなかったな)

  (あのおじさんにお姉ちゃん達がここに集まってるって言われたんだけど、

   あの双子が集まって何かやってるっていうのは、なんか嫌や予感しかしないんですケド)

  (今更なんだけど、あんな約束しなきゃよかったな)

  (家で勉強していたほうが気楽だし)

  (んーっ、まぁ、でもしょうがないかぁ)

  (喫茶店みたいだから、お姉ちゃん達、本当に何かごちそうしてくれるんだよね?)

 


葵:(でも、ここって前から空き店舗だったと思うんだけど、いつの間に綺麗にリフォームしたんだろう?)

  (なかの電気はついているみたいだから営業してるのかな)

  (オープンの札も出てるようだし。ところで、お姉ちゃん達、もう来てるのかな)

  (でも、知らないお店に初めて入るのって、なんか勇気いるよね)

  (ガンバレ私!)

 

 



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