らば~そうる “IN MY LIFE”

旅、音楽、そしてスポーツのこと。過去、現在、そして未来のこと・・・「考えるブログ」。

636.ビートルズ・ACCOUSTIC PIANO

2007-08-03 | 12.THE BEATLES
【“HELP!”のワン・シーン】

 ビートルズのサウンドの基本は「(ドラムス+ベース)+2ギター」
である。しかし、この基本に対する「サウンドの味付け」としてキー
ボードが古くから採用されていた。特にアコースティック・ピアノは
彼らが作曲する時(例:‘I Saw Her Standing There’=若かりし頃
のポールの自宅の居間にあったチャペル製(CHAPELL&CO)のアップラ
イト・ピアノ)にも利用された。

 ビートルズのデビュー当時、EMIスタジオには様々なグランド・
ピアノが存在していた。4人の「我が家」であった第2スタジオには
スタンウェイ製(STEINWAY&SONS )のグランド・ピアノが設置されて
いたのであるが、多くの曲でアコピが使用されたことを考慮すると、
このスタンウェイ製のピアノが、初期ビートルズのメイン・ピアノで
あったといってもよいであろう。

 1968年の夏、EMIスタジオに設置されていなかった8トラックの
録音機材が設置されているという理由で、トライデント・スタジオが
利用された。ここではベヒシュタイン製(BECHSTEIN )のグランド・
ピアノが設置されていた。ピアノのパートが曲の前面に出ていて印象
的な曲‘Hey Jude’‘Matha My Dear ’でポールが弾いたのは、この
ピアノである。
 
 1969年の初頭の“GET BACK SESSION”はトゥイッケナム・フィルム
スタジオとアップル・スタジオで行われた。ここで利用されたアコピ
は、ブリュトナー製(BLÜTHNER)である。映画“LET IT BE ”でポー
ルが弾くグランド・ピアノの側面に“BLÜTHNER”のロゴが映し出され
ているので印象に残っている人も多いことであろう。

 このように時代とともに様々なアコースティック・ピアノが利用さ
れてきたのであるが、ビートルズは「単体のピアノ」という利用法だ
けではなく、いろいろな利用法を試みてきた点が興味深い。それは、
以下の利用法である。各々、聴き手を「ハッ」とさせる効果的な利用
法だと思うのであるが、いかがであろうか。

 1.複数台のピアノによるアンサンブル

  ①‘Good Day Sunshine ’のリズムピアノとリードピアノ
  ②‘Penny Lane’の5つのピアノ
  ③‘A Day In The Life ’のエンディング

 2.音質の変換(エフェクト)

  ①‘Penny Lane’のギターアンプ+リバーブ
  ②‘Don't Pass Me By’のレズリー
  ③‘For You Blue’の発音体の操作(ホンキートンク風)

 3.録音技術の駆使

  ①‘In My Life’の間奏の録音速度調整(倍速)
  ②‘Penny Lane’の録音速度調整(ピッチ)
  ③‘Lady Madonna’のダイナミックレンジの狭いマイクの意図的
   利用

 きっと他にも面白い利用法があるかもしれない。



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2 Comments

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>軽いエコー (らば~そうる)
2007-08-05 19:05:23
to:タケチャンさん

>映画Help!で、Ticket to rideが流れてたシーンですね!
流石です。
ピアノをこんな場所へ持ち出して・・・
怒られなかったのでしょうか。(どこから?)
ピアノエコー処理はマーティンさんの常套手段でしたね。
キラッと光っていました。
返信する
軽いエコー (タケチャン)
2007-08-04 19:43:20
映画Help!で、Ticket to rideが流れてたシーンですね!

ビートルズは初期から、ピアノの音を効果的に使ってましたね。Misery, Not a Second Time,Money,Any time at allなどなど。軽くエコーをかけて、アコピの音を際立たせたのでは。

あと、コードの使い方がすごくいいですね。
Magical Mystery tourとか。
返信する

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