【J-160E by Orville】
ビートルズをコピーしようとトライする人は数知れないでしょう。
わたしも「なんちゃって」のレベルですが、そのうちのひとりです。
世の中には、ほんとうに上手にコピーする人が多くいらっしゃいます
よね。わたしの場合、まったく「お呼びでない」レベルです。
さて、ライヴ形式でその場のノリや雰囲気ではなんとなくごまかせ
ても、レコーディングして再生してみると「愕然」とすることがあり
ます。今回は、ビートルズのサウンドとして重要なポジションの一つ
である“J-160E”の音づくりについて失敗談を織り交ぜながらご紹介
させていただこうと思います。
当時、ジョンやジョージはどのような弦を張っていたのでしょうか。
J-160Eはピックアップが実装されたアコースティック・ギターですが
その独特な「鳴り」はよく知られているところです。J-160Eは以下の
2つのパターンで利用されていました。
1.生音をマイクで拾って録音する形態
(例)‘Can't Buy Me Love ’‘Nowhere Man ’
2.内蔵ピックアップのサウンドをギター・アンプに通した音を
マイクで拾って録音する形態
(例)‘I Feel Fine ’‘You're Going To Lose That Girl’
実際に、2人が使用した弦のメーカーやブランドは不明です。また
一部では、「フォーク弦ではなくエレキ弦を張っていた」という説も
あります。特に1の場合、使用する弦の状態によって鳴りが変わって
くるため、その選定には注意を払いましたが、わたしの場合はアコー
スティック・ギター用の一般的なライトゲージ・パッケージを使用し
ました。
6弦 0.54
5弦 0.42
4弦 0.32
3弦 0.25
2弦 0.16
1弦 0.12
ピッキングについては、硬めのピックを用いしっかりとピッキング
するとジョン特有の雰囲気が出せると思います。しかし、張りたての
弦で演奏し録音しようとすると失敗します。なぜならば、新品の弦で
コードを弾くと「シャラ~ン」という軽く煌びやかすぎる音になって
しまうからです。そこでわたしは、弦を張り替えてから3日ほど使用
した状態でレコーディングすることにしていました。1弦が0.13以上
の太い弦を張れば、さらにしっかりとした芯のあるサウンドを得られ
ますが、握力がさらに必要になることなどテクニック的な課題も増え
るため、0.12を採用していました。
録音面ではどのような配慮が必要でしょうか。レコーディングの際
メインとなる機材のマイクや、イコライザーやコンプレッサーなどの
エフェクターの選定等、注意を払うべきチェック・ポイントはかなり
あります。この中でも特に重要なのは、レコーディングやトラック・
ダウンの際のイコライザーやコンプレッサーの設定値だと思います。
一度高音をブースト気味にしすぎた結果、中音域が引っ込んでしまい
あたかもトレモロがかかったかのような、芯のないグニャグニャした
サウンドになってしまいました。やはりJ-160Eの「らしい」音にする
ためには、イコライジングにおいて中音域をブースト気味にして細い
音にならないようにすることが必要条件だと思います。
冒頭に述べたような「エレキ弦をJ-160Eに張ること」にトライした
ことはありません。トライするとすれば、やはり太いゲージ(最低限
0.47~0.10)を選択しないと、アコースティック・ギターそのものの
音をOUTPUTすることができなくなるでしょうね。
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