【SINGLE ‘HEY JUDE c/w REVOLUTION’】
シングルで7分を越える曲って、1968年当時あったのでしょうか。
‘Hey Jude’はビートルズの曲の中で「最高傑作」と誉れの高い曲で
ポールの作品です。既に“FOR SALE”のあたりから彼らはキーボード
を多く取り入れるようになりました。最初のうちは「5人めのビート
ル」と言われたジョージ・マーティン氏が、4人をサポートする形で
ピアノ等を演奏していましたが、1968年ではポールもしくはジョンが
率先して演奏しています。‘Hey Jude’ではポールがピアノを弾いて
おり、曲の中でも存在感があります。ピアノとヴォーカル(いわゆる
弾き語り)だけでも曲が成立するのかもしれません。
ポールもジョンもクラシック・ピアノのレッスンを受けていません
が、その音楽的センスでピアノを駆使し、曲に彩りを与えています。
演奏スタイルには、いくつか「パターン」が感じられます。ポールの
ひとつのパターンを‘Hey Jude’から確認しました。
【簡易譜面】‘Hey Jude’の出だし2小節のポールのピアノ
小節 1 2 ~
コード F C ~
右手 ④ ④ ④ ④ ④ ④ ④ ④ ~
C C C C C C C C ~
A A A A G G G G ~
F F F F E E E E ~
左手 ⑧④ ⑧⑧④ ⑧⑧④ ⑧⑧④ ⑧~
FF FFF FCC CCC C~
② ② ② ② ~
F F C C ~
↓ ↓ ↓ ↓ ~
毎度の簡易譜面です。「④」とか「⑧」とかは、各々「四分音符」
「八分音符」と解釈してください。また、左手の下方にある「↓」は
オクターヴ下の音を同時に弾いているという意味です。
このパターンは、「これぞ究極の弾き語りピアノ」というものです。
このパターンを習熟すると、大抵のバラード系のポピュラーソングの
弾き語りをこなすことができます。わたしもこのスタイルでスナック
などで弾き語りをときたまさせていただいています。(商用ではあり
ませんって、おいっ!)
ただし注意点があります。ビートルズをよく聴くかたは気づかれて
いるかと思いますが、彼らの曲を再現するためには、「譜面」の外に
書かれたニュアンスを感じ取ることが必要なのです。‘Hey Jude’の
ピアノ場合、サスティン・ペダルの使い方がその一例です。ポールの
ベースをコピーする時もそうですが、音の立ち上げ方、切り方一つで
その表現はガラッと変わってしまいます。そのあたりの微妙な部分は
耳で感じ取るしかありません。また、ポールは左利きです。従って、
ピアノの低音部(すなわち左手のパート)のアタックが少しだけ強調
されるので、配慮が必要です。
いずれにしても、この左手オクターヴ奏法とも言うべきパターンは
「ベーシスト」いや、「コンポーザー」「アレンジャー」ならではの
感性を感じます。つまり楽曲をトータル的に捉える力です。低音部を
ブ厚くしながら、右手で「柔らかく」それでいて「確実に」リズムを
刻んでいる点・・・。そのような部分にポールの「ヘイ・ジュード・
パターン」の特徴を感じます。
ちなみに、このパターンは‘Let It Be ’でも採用されています。
聴き比べてみてください。
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