河北新報電子版 朝刊
2023.04.20 17/28
宮城県の桜の開花は、ほぼ全県下で終了した。
いずれの地域にも桜の名所はあるだろう。
宮城県の桜の名所と言えば、柴田郡大河原町の白石川河畔の一目千本桜にトドメを刺す。
父方の祖母が、この大河原町の出なもので、子供の頃に、この桜の話は聞いていた。
明治時代に既に桜はあったと言うのである。
その後に、大正時代に700本を寄贈する人がいて、その方が昭和の初めにも500本をさらに寄贈して植えられ、千本桜が完成した。
さらに、大河ドラマで、隣町である柴田町船岡城址を舞台にした「樅ノ木は残った」がテレビで放映され、大ブームとなって、船岡城址も桜が植えられて、実に壮大なスケールの桜の観光地は繋がった。
当時植えられたのは、ソメイヨシノである。
ソメイヨシノは寿命が70年とも言われる、比較的短命な種類だが、色や形の良さ、散り際の見事さで、条件さえ同じならいっせいに咲き、一斉に散るクローン種である。
既に白石川河畔のソメイヨシノは植樹されてからちょうど100年を超えた。
老木が多くなったが、まだ十分に樹勢を保っているものも少なくない。
これには秘密があり、地元にある柴田農林高校の生徒さん達が総出で面倒を見ている。
さらに、ソメイヨシノの接ぎ木の台木だったシロヤマザクラが優れた樹種であることがわかって、代替わりに植樹されているのは、シロヤマザクラのほうが選ばれている。
今年はコロナ禍から脱して、三年ほど開催されていなかった桜まつりが行われて、大勢の観光客が押し寄せた。
好天にも恵まれて、記録的な人出であったと感じられた。
河北新報の記事には、柴田農林高校と宮城県北部の涌谷高校のソメイヨシノの植え替えのことが紹介されている。
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